夢見る税理士の独立開業繁盛記

神戸市東灘区で開業している駆け出し税理士の、試行錯誤日記

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小さな会社の「電子取引データの訂正削除の防止に関する事務処理規程」を考えてみました

エクセルで作成している「電子取引データ保存シート」が大体完成したので、このエクセルファイルを使って電子取引データを保存する場合の要件を今一度確認してみました。

可視性の要件

可視性の要件のうち、

  • 電子計算機処理システムの概要書は、「エクセル作成の索引簿」と「ファイル名での検索」になるため特に不要。
  • 見読可能装置の備え付け等は、電子取引データ保存の場合特にパソコン、ディスプレイ、プリンタ等の性能に要件がないので、手元にあるものでOK。

ちなみにスマホしかない場合の以下のようなQ&Aもありますが、スマホの画面で見てもらったり、近所のコンビニで印刷すれば本当に差し支えないのかしら?

問17
パソコンやプリンタを保有しておらず、スマートフォンのみで取引を行っている場合には、どのように電子取引データ保存への対応をすればいいでしょうか。

【回答】
スマートフォンで授受(メールやインターネット上表示された領収書等をダウンロード)した電子取引データを保存する場合も、検索機能を確保するとともに、「正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」を作成し備え付けておくなどの対応が必要になります。
なお、電子取引データの保存要件にはプリンタの備付けも含まれていますが、税務調査等があった時点においてプリンタを常設していない場合であっても、近隣の有料プリンタ等により税務職員の求めに応じて速やかに出力するなどの対応ができれば、プリンタを備え付けているものと取り扱って、差し支えありません。

  • 検索機能の確保は以下の要件になりますが
  1. 取引年月日その他の日付、取引金額その他の国税関係書類の種類に応じた主要な記録項目を検索の条件として設定することができること。
  2. 日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること。
  3. 二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること。

はエクセルで作った索引簿があるので、次のように何とでも検索できるのでOK。

真実性の要件

あとは真実性の要件ですが、このエクセルファイルを使う限り「四 訂正削除の防止に関する事務処理規程の備付け」になるので、このファイルを使うような小さな会社の場合のひな型を考えてみました。

電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程


第1条 この規程は、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法の特例に関する法律第7条に定められた電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存義務を履行するため、電子取引の取引情報に係る電磁的記録を適正に保存するために必要な事項を定め、これに基づき保存することを目的とする。


第2条 当社における電子取引の範囲は以下に掲げる取引とする。
 一 電子メールを利用した請求書等の授受
 二 インターネットのホームページからのダウンロードを利用した請求書等の授受
 三 クラウドサービスを利用した請求書等の授受
 四 スマートフォンのアプリを利用した請求書等の授受 
 五 上記に類する一切の取引


第3条 前条に定める取引で授受したデータ(以下「取引関係情報」という)については、保存サーバ内に7年間保存する。


第4条 保存する取引関係情報の内容について、訂正及び削除をすることは原則禁止とする。


第5条 業務処理上やむを得ない理由によって保存する取引関係情報を訂正または削除する場合は、「取引情報訂正・削除記録簿」に以下の内容を記載の上、事後に訂正・削除履歴の確認作業が行えるよう整然とした形で、訂正・削除の対象となった取引関係情報の保存期間が満了するまで保存する。
 一 連番
 二 取引先名
 三 訂正・削除日付
 四 訂正・削除内容
 五 訂正・削除理由


第6条 この規程は、令和○年○月○日から施行する。

小さな会社の電子取引はほとんど
・電子メールを利用した請求書等の授受
・インターネットのホームページからのダウンロードを利用した請求書等の授受
で、たまに
スマートフォンのアプリを利用した請求書等の授受
がある程度だと思うので、電子取引の範囲は2条のような感じでいいのかなあ。

あとは数人でやっているような会社だと、データの削除・訂正作業に管理者や処理担当者を分けるのも現実的でないような感じがしたので、5条のように「取引情報訂正・削除記録簿」に分かりやすく記録を残すぐらいでいいのでしょうか?

ファイル名→弥生会計の仕訳日記帳を自動作成するエクセルファイルの使い方

このエクセルファイルで自動作成したファイルから、弥生会計の仕訳日記帳を自動作成するエクセルファイルの使い方も動画にしてみました。

www.youtube.com
データが数件だとあまり威力が感じられませんが、数十件あると、やっぱり手入力と大分差が出るような気がしますね(*^^*)。



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使い方を動画にしてみました

前回に引き続き現在作成中のエクセルシート「電子取引データ保存シート」。
なんとなく実用に耐えるような感じになってきたので、使い方を動画にしてみました。

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使っているパソコンに機能限定版の動画編集ソフトがバンドルされていたので、4年目にして初めて使うことに。
字幕などを入れてみたのですが、基本的にはパワーポイントとかと同じような感覚で作る感じなのですかねえ?なかなか難しい・・・。


この電子取引データの保存義務。先日もお客様に説明することがあったのですが、エクセルで索引簿を作るか、ファイル名に「日付_金額_取引先名」を入れて保存するかの話をしたところ、やっぱり「他の会社もこんな面倒くさいことしてるのですか?」との、心底嫌そうな反応をいただくことに。
まあメール添付で送られてきた請求書や、ネット通販の領収書などは全部対象になってくるので、IT化を特に進めていない小さな会社でも、対象となるデータは月10件ぐらいはある感じですよね。それを索引簿作ったりファイル名をリネームするのは、手作業だと件数は少なくてもやっぱり面倒な作業になるような気がします。

メール添付されたPDFの請求書の保存先や、ブラウザからダウンロードするPDF書類の保存先のフォルダを決めておいて、月に一回程度、そのフォルダのPDFファイルをこのエクセルファイルに放り込んで自動的に索引簿に変換していくといったルーチンを作れば、そんなお客様の不毛な作業を少しでも軽減できるでしょうか?


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パソコン一台だけだと気づかない・・・

以前から作っているエクセルの「電子取引データ保存シート」。
PDFファイルのプレビューを自動取込用のユーザフォームの中で処理するようにしていたのですが、メインで使っているパソコン以外で動かしてみるとどうもうまく動かないので、それぞれのファイルの指定ビューアで開くように変えてみました。

私のパソコンの場合、PDFだと「Acrobat Reader DC」

画像ファイルだと、マイクロソフトのフォトアプリで開きます。

ユーザフォームと別ウィンドウになってしまうのがちょっと使い勝手悪いかもしれませんが、10年前のパソコンや別のバージョンのエクセルでも安定して動くようになった気がします。
同じWindowsのエクセルなので、特に問題ないかなと思っていたのですが、時々こういうことがありますよね。パソコン一台だけで作っていると気づかないところです。


※仕事の記録で使っているA4ノートがなくなったので、10冊購入。

シャーペン、カラーボールペン、マーカーでちまちま書いて、ハサミで資料を切って糊で貼り付けて…。
こういうのもデジタル化したら記録を使いまわして有効活用できるのかもしれませんが、小学校から40年間ずっと慣れ親しんだ方法を変えるのは、自分のことであってもなかなか難しいですね。

千葉の税理士さんが次のようなつぶやきをされていましたが、


うちの事務所も、お客様がスキャンしてデータ化していれば、データからの取込を行っていますが、レシートしかなければやっぱり自分で入力した方が早いとそのまま打ち込んでしまっています。
まあうちは記帳代行をあまりやっていないので、今一つ入力の効率化に真剣に取組む気持ちが薄いのですが・・・。

ただレシートOCRも数年で長足の進歩を遂げているような気がするので、あと数年もすればOCR取込の方が効率的ということになるのかなあ?
とりあえず今のやり方に問題ないからと安住するんじゃなくて、面倒でも新しいことに挑戦してみるのが大事ですよね。
年をとってくると、どうもそういう気持ちが薄れてくるので、気を付けないと!


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「ファイル名→弥生会計仕訳日記帳変換シート」を作成してみました

以前ScanSnapで取り込んだレシートについて、自動で付されたファイル名から弥生会計の仕訳日記帳を作れないかなあと、ちょっと考えたままうっちゃってしまっていたことがあったのですが、
kobarin.hatenablog.com
その時に書いた日記に今回コメントをいただいたので、作りかけていたエクセルファイルを引っ張り出して確認してみました。


ScanSnapでレシートをスキャンすると、以下のように「日付」や「店名」、「金額」をファイル名につけて保存してくれるので、

これをそのまま弥生会計の仕訳に活用できないかなあと試行錯誤したまま放置していたのですが、最近作っている「電子データ保存用エクセルシート」でも、次のようにファイル名に「日付」、「金額」、「取引先名」をつけて保管するようになっているので、同じ仕組みが使えるかもと再検討してみました。

変換の流れはこんな感じ

ファイル名から弥生会計の仕訳日記帳を作成する流れは、次のような感じです。

  • エクセルを立ち上げると、次のメニューが出るので「取込画面を開く」ボタンを押す。

  • 内容確認後、「仕訳データ・出力画面へ」ボタンを押す。
  • 以下の画面に遷移するので、勘定科目を(自動で)割り付けた後、「仕訳日記帳出力」ボタンを押す。

  • 弥生インポート形式での仕訳日記帳がCSV形式で作成されるので、それを弥生会計で取り込む。

こうすれば電子取引データの保存の過程で作成されたファイル名を会計ソフトへの入力にもそのまま活用できるので、義務化でいやいや作成することになる電子取引データをちょっとは省力化に活かすことができないかなあ・・・。

ScanSnapでスキャンしたデータにも使えるはず

このエクセルファイルですが、以下のように「[レシート日付]_[金額]_[店名]」の設定で資料をスキャンすれば、同じ流れで弥生会計の仕訳日記帳が作成できるはず。

スキャナ保存は後回しでいいかなあと思っていたのですが、ちょっと考えてみてもいいのかも。


★月初に名古屋のリニア鉄道館に行ってきました。

日帰りで名古屋まで車往復は堪える…。


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電子取引データの連続登録機能をつけてみました

相も変わらずエクセルでの電子取引データの自動登録シートの件ですが、取り込む電子取引データファイルが複数ある場合、取り込むファイルを指定すると自動で連続登録する機能を付けてみました。


下記の動画のように、最初に取り込む電子取引データを複数選択すると、自動で日付や金額、取引先名などを取り込んでいって、索引簿に登録し、日付・金額・取引先名にファイル名を変換してで指定フォルダに保存していきます。

www.youtube.com


変換テーブルが鍛えられてきたら、かなりいい感じで自動で変換していくことができるかも。

あと作成したデータから、弥生会計に取り込める仕訳帳とかも作成できるようにしてみたら、もうちょっと使い道が増えるかしら・・・?


ただ先日お世話になっている税理士さんたちと話をする機会があって、このエクセルでの電子取引データ保存シートの話題も出たのですが、「こんなパソコンの知識が必要な制度、中小企業が令和6年からすぐに対応なんて、どうせ無理だろう・・・」という意見ばかりでした。

まあEDIがどうとか言ってる会社と、月一回請求書ベースで仕入や売上を計上している小さな会社で同じようにする必要あるんですかねえ。
エクセルでPDFファイルの索引簿作っても、それだけじゃ手間増えるだけですし。かといってそれを合理化に活用する方法もなかなかないでしょうし。

それにこの電子帳簿保存法のこの制度、インボイス制度よりさらに周知されていないような気がするんですよね。大丈夫なのでしょうか・・・?



*週末は大阪に「わけあって絶滅しました。展 」というものを見に行ってきました。

アノマロカリス、子供は興味津々でした。


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割引額がある場合でつまづく

またエクセルの電子取引データ登録シートの話。
前々回の日記で取引金額については、ファイル中の三桁区切りされた数字のうち最大値を取得すればおおむね正しいとか書いたのですが、早速つまづくことに。


こんな請求書のような、正規の金額から割り引かれた金額が取引金額になる場合、

最大値を取得すると割引前の金額39,600円を取得してしまうので、正確な取引金額33,000円を引っ張ってこないんですよね。

とりあえず取引先名と同様に、金額の左や上にリストの文言を含む場合にはその金額、それがない場合は最大値を取得するように変更してみました。

この請求書の場合、左に「ご請求金額」という文言がある数字をリストの「請求金額」にあてはめて引っ張ってくるので、うまく取引金額を引っ張ってくることができました。

ただ手元のサンプルファイルはそんなにバリエーションないですし、他にもいろいろなパターンがあるのかなあ・・・。



※修正ついでにPDFファイル以外のファイルも、リストに登録できる機能も付けてみました。

電子取引データがJPEGファイルのような画像ファイルなどであった場合、日付や金額などのデータは抽出できませんが、自分でこれらのデータを入力して登録すればリストに追加されるようになっています。

画像での電子取引データ、件数はあまりないような気がしますが、契約書のような押印された書類は画像の傾向があるような気がしますね。


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