夢見る税理士の独立開業繁盛記

神戸市東灘区で開業している駆け出し税理士の、試行錯誤日記

設立2年目の適用、意外と厳しそう

私の事務所のホームページで公開しているエクセルの「所得拡大促進税制計算シート」。
平成30年4月以降開始事業年度の中小企業者用がほぼできたので、いろいろなパターンでテストして動作確認を行ったりしています。
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意外と面倒なのが、前期と当期で月数が違う場合。


雇用者給与等支給額の調整は、措置法施行令の第二十七条の十二の五の6項に定められているのですが、比較雇用者給与等支給額の計算にあたっては
「今期より前期の月数が多い場合は、単なる月割計算」
「今期より前期の月数が少ない場合は、①前期が半年以上ある場合は前期分だけを月割計算、②半年未満の場合は前期と前々期を足して月割計算」
することになります。

租税特別措置法施行令第二十七条の十二の五
6 法第四十二条の十二の五第三項第五号ロに規定する政令で定めるところにより計算した金額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
※今期より前期の月数が多い場合は、単なる月割計算。
一 法第四十二条の十二の五第三項第五号ロの前事業年度の月数が同号ロの適用年度の月数を超える場合 当該前事業年度に係る給与等支給額に当該適用年度の月数を乗じてこれを当該前事業年度の月数で除して計算した金額


※今期より前期の月数が少ない場合は、前期が半年以上ある場合は前期分だけを月割計算、半年未満の場合は前期と前々期を足して月割計算
二 法第四十二条の十二の五第三項第五号ロの前事業年度の月数が同号ロの適用年度の月数に満たない場合 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額
イ 当該前事業年度が六月に満たない場合 
当該適用年度開始の日前一年以内に終了した各事業年度に係る給与等支給額の合計額に当該適用年度の月数を乗じてこれを当該前一年事業年度等の月数の合計数で除して計算した金額
ロ 当該前事業年度が六月以上である場合 
当該前事業年度に係る給与等支給額に当該適用年度の月数を乗じてこれを当該前事業年度の月数で除して計算した金額


一方継続雇用者給与等支給額は、措置法施行令の第二十七条の十二の五の13項ですが、継続雇用者比較給与等支給額の計算にあたって抽出対象となる継続雇用者は、以下のようになります。

租税特別措置法施行令第二十七条の十二の五
13 法第四十二条の十二の五第三項第六号に規定する政令で定めるものは、法人の国内雇用者のうち次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定めるものとする。
※今期と前期の月数が同じ場合は、前期の全ての月に給与を支払った人が継続雇用者に該当
一 適用年度の月数と当該適用年度開始の日の前日を含む事業年度の月数とが同じ場合 当該法人の国内雇用者として当該適用年度及び当該前事業年度等の期間内の各月分の当該法人の給与等の支給を受けた者


二 適用年度の月数と前事業年度等の月数とが異なる場合 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定めるもの
※今期より前期の月数が少ない場合は、前期と前々期のうち今期の月数に対応する期間給与を支払った人が継続雇用者に該当(ただし前期が設立事業年度の場合は、前期の全期間のみ支払った人が継続雇用者に該当)
イ 前事業年度等の月数が適用年度の月数に満たない場合 当該法人の国内雇用者として当該適用年度の期間及び当該適用年度開始の日前一年以内に終了した各事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には当該開始の日前一年以内に終了した連結事業年度とし、設立の日以後に終了した事業年度又は連結事業年度に限る。イにおいて「前一年事業年度等」という。)の期間(当該開始の日から起算して一年前の日又は設立の日を含む前一年事業年度等にあつては、当該一年前の日又は当該設立の日のいずれか遅い日から当該前一年事業年度等の終了の日までの期間。第十五項第二号において「前一年事業年度等特定期間」という。)内の各月分の当該法人の給与等の支給を受けた者


※今期より前期の月数が多い場合は、前期のうち直近の今期の月数に対応する期間給与を支払った人が継続雇用者に該当
ロ 前事業年度等の月数が適用年度の月数を超える場合 当該法人の国内雇用者として当該適用年度の期間及び前事業年度等特定期間(当該前事業年度等の期間のうち当該適用年度の期間に相当する期間で当該前事業年度等の終了の日に終了する期間をいう。)内の各月分の当該法人の給与等の支給を受けた者


そして今期と前期の月数が違う場合は、継続雇用者比較給与等支給額を月割り計算を行うことになりますが、第十三項の「前一年事業年度等特定期間」と「前事業年度等特定期間」の定義から、実際計算が必要になるのは前期が設立事業年度であるときだけになりますよね・・・。

租税特別措置法施行令第二十七条の十二の五
15 法第四十二条の十二の五第三項第七号に規定する政令で定める金額は、同号の法人が次の各号に掲げる場合のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める金額とする。
一 第十三項第一号に掲げる場合 当該法人の同号に規定する前事業年度等に係る給与等支給額のうち継続雇用者に係る金額
二 第十三項第二号イに掲げる場合 当該法人の同号イに規定する前一年事業年度等に係る給与等支給額のうち継続雇用者に係る金額(当該前一年事業年度等の前一年事業年度等特定期間に対応する金額に限る。)の合計額に同号イの適用年度の月数を乗じてこれを前一年事業年度等特定期間の月数の合計数で除して計算した金額
三 第十三項第二号ロに掲げる場合 当該法人の同号ロの前事業年度等に係る給与等支給額のうち継続雇用者に係る金額(当該前事業年度等の同号ロに規定する前事業年度等特定期間に対応する金額に限る。)

前期が設立事業年度というのは自分でも経験することがあったので、必要かなあと月割り計算機能を付けてみたのですが、設立月から最低一人の従業員に給与の支払いがないと継続雇用者はゼロになって、二期目は適用できないことになるんですよね。
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法人設立と同時に従業員を雇って、設立月から給与を支払うというケースはあんまりないように思えますし、今までの制度と違って、設立二年目の所得拡大促進税制の適用は意外と厳しいのかもしれませんね。
集計はシンプルになりましたが、設立初年度も使えなくなりましたし、新設法人には優しくない制度になったのかも^ ^;。
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神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です