夢見る税理士の独立開業繁盛記

神戸市東灘区で開業している駆け出し税理士の、試行錯誤日記

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研究開発税制でも、継続雇用者給与等支給額の必要があるんですね

今週の税務通信を読んでいると、大法人の研究開発税制の適用の際には可否判定の明細書の添付が必要という記事が目に留まりました。
適用を受けるためには、以下のイとロのいずれかに該当するか、ハに該当する必要があるのですが、

イ 継続雇用者給与等支給額 > 継続雇用者比較給与等支給額
ロ 国内設備投資額 > 当期償却費総額 × 10%
ハ 特定対象年度の基準所得等金額 ≦ 前事業年度等の基準所得等金額の合計額

イの継続雇用者等給与金額の集計は所得拡大促進税制と同じ方法で集計するので、明細書となる別表6(29)もエクセルの所得拡大促進税制の計算シートに付けてみました。
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設備投資要件は償却費の10%超と、90%超が必要な所得拡大促進税制よりは大分要件が緩いですね・・・。私の事務所の顧問先だときっと試験研究費とかほとんどないだろうし、所得拡大促進税制の要件も10%にしてくれたら良かったのになんて思ってしまいます。


※お客様への道すがら、宝塚のゴルフ場に立ち寄ってみました。
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麗らかな日差しの中、ぼんやりと桜を眺めて歩くのは心の栄養になりますね~。
確定申告が終わってからのんびりとしていますが、気が付けばもう一か月。子供がいると毎日バタバタで、時の経つのがどんどん早くなるような気がするなあ・・・。


神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です

「償却費×90%」の設備投資はハードル高いわ・・・

今月末の決算から本格的に適用になる、新制度の所得拡大促進税制。
中小企業用は前から作っていたのですが、大企業用も作ってくれませんかというご依頼があったので、とりあえず作ってみました。
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給与の計算・集計部分は中小企業用と同じなのですが、違う別表になり、賃上げ要件が中小企業の1.5%から3%に上がる部分。そして教育訓練費の集計が三期分になる部分と設備投資要件の部分を変更しています。

別表は2枚になるのですが、旧制度との併用になるので、記載部分が少なくてスカスカな感じですね。
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私の事務所でも中小企業に該当しない顧問先があるのですが、賃上げの3%よりも「償却費×90%」の設備投資要件の方がハードル高いような気がします。
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大きな会社の場合、建物とかも自前で持っていてそれなりの償却費が出てくるので、それの90%の設備投資となると大きな機械の更新でもないと、普段はなかなか要件を満たせそうにないかなあ・・・。
無駄な設備投資をしても仕方ないですし、大きな会社はたまたま設備の更新があったら、運よく使えるかもという制度になってしまうのかも。賃上げと設備投資、ワンセットにする必要あったのかしらん。


※確定申告期間中に衝動的にアマゾンでポチってしまったおもちゃが、忘れたころに到着。
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ゲームセンターの筐体を模したミニチュアですが、USBケーブルをつなぐと、実際動いて遊べるんですよね。
実機で遊んでたのは、小学校4、5年生のころだったかなあ。35年も前の話と思うと、気が遠くなりそうです(笑)。


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設立2年目の適用、意外と厳しそう

私の事務所のホームページで公開しているエクセルの「所得拡大促進税制計算シート」。
平成30年4月以降開始事業年度の中小企業者用がほぼできたので、いろいろなパターンでテストして動作確認を行ったりしています。
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意外と面倒なのが、前期と当期で月数が違う場合。


雇用者給与等支給額の調整は、措置法施行令の第二十七条の十二の五の6項に定められているのですが、比較雇用者給与等支給額の計算にあたっては
「今期より前期の月数が多い場合は、単なる月割計算」
「今期より前期の月数が少ない場合は、①前期が半年以上ある場合は前期分だけを月割計算、②半年未満の場合は前期と前々期を足して月割計算」
することになります。

租税特別措置法施行令第二十七条の十二の五
6 法第四十二条の十二の五第三項第五号ロに規定する政令で定めるところにより計算した金額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
※今期より前期の月数が多い場合は、単なる月割計算。
一 法第四十二条の十二の五第三項第五号ロの前事業年度の月数が同号ロの適用年度の月数を超える場合 当該前事業年度に係る給与等支給額に当該適用年度の月数を乗じてこれを当該前事業年度の月数で除して計算した金額


※今期より前期の月数が少ない場合は、前期が半年以上ある場合は前期分だけを月割計算、半年未満の場合は前期と前々期を足して月割計算
二 法第四十二条の十二の五第三項第五号ロの前事業年度の月数が同号ロの適用年度の月数に満たない場合 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額
イ 当該前事業年度が六月に満たない場合 
当該適用年度開始の日前一年以内に終了した各事業年度に係る給与等支給額の合計額に当該適用年度の月数を乗じてこれを当該前一年事業年度等の月数の合計数で除して計算した金額
ロ 当該前事業年度が六月以上である場合 
当該前事業年度に係る給与等支給額に当該適用年度の月数を乗じてこれを当該前事業年度の月数で除して計算した金額


一方継続雇用者給与等支給額は、措置法施行令の第二十七条の十二の五の13項ですが、継続雇用者比較給与等支給額の計算にあたって抽出対象となる継続雇用者は、以下のようになります。

租税特別措置法施行令第二十七条の十二の五
13 法第四十二条の十二の五第三項第六号に規定する政令で定めるものは、法人の国内雇用者のうち次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定めるものとする。
※今期と前期の月数が同じ場合は、前期の全ての月に給与を支払った人が継続雇用者に該当
一 適用年度の月数と当該適用年度開始の日の前日を含む事業年度の月数とが同じ場合 当該法人の国内雇用者として当該適用年度及び当該前事業年度等の期間内の各月分の当該法人の給与等の支給を受けた者


二 適用年度の月数と前事業年度等の月数とが異なる場合 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定めるもの
※今期より前期の月数が少ない場合は、前期と前々期のうち今期の月数に対応する期間給与を支払った人が継続雇用者に該当(ただし前期が設立事業年度の場合は、前期の全期間のみ支払った人が継続雇用者に該当)
イ 前事業年度等の月数が適用年度の月数に満たない場合 当該法人の国内雇用者として当該適用年度の期間及び当該適用年度開始の日前一年以内に終了した各事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には当該開始の日前一年以内に終了した連結事業年度とし、設立の日以後に終了した事業年度又は連結事業年度に限る。イにおいて「前一年事業年度等」という。)の期間(当該開始の日から起算して一年前の日又は設立の日を含む前一年事業年度等にあつては、当該一年前の日又は当該設立の日のいずれか遅い日から当該前一年事業年度等の終了の日までの期間。第十五項第二号において「前一年事業年度等特定期間」という。)内の各月分の当該法人の給与等の支給を受けた者


※今期より前期の月数が多い場合は、前期のうち直近の今期の月数に対応する期間給与を支払った人が継続雇用者に該当
ロ 前事業年度等の月数が適用年度の月数を超える場合 当該法人の国内雇用者として当該適用年度の期間及び前事業年度等特定期間(当該前事業年度等の期間のうち当該適用年度の期間に相当する期間で当該前事業年度等の終了の日に終了する期間をいう。)内の各月分の当該法人の給与等の支給を受けた者


そして今期と前期の月数が違う場合は、継続雇用者比較給与等支給額を月割り計算を行うことになりますが、第十三項の「前一年事業年度等特定期間」と「前事業年度等特定期間」の定義から、実際計算が必要になるのは前期が設立事業年度であるときだけになりますよね・・・。

租税特別措置法施行令第二十七条の十二の五
15 法第四十二条の十二の五第三項第七号に規定する政令で定める金額は、同号の法人が次の各号に掲げる場合のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める金額とする。
一 第十三項第一号に掲げる場合 当該法人の同号に規定する前事業年度等に係る給与等支給額のうち継続雇用者に係る金額
二 第十三項第二号イに掲げる場合 当該法人の同号イに規定する前一年事業年度等に係る給与等支給額のうち継続雇用者に係る金額(当該前一年事業年度等の前一年事業年度等特定期間に対応する金額に限る。)の合計額に同号イの適用年度の月数を乗じてこれを前一年事業年度等特定期間の月数の合計数で除して計算した金額
三 第十三項第二号ロに掲げる場合 当該法人の同号ロの前事業年度等に係る給与等支給額のうち継続雇用者に係る金額(当該前事業年度等の同号ロに規定する前事業年度等特定期間に対応する金額に限る。)

前期が設立事業年度というのは自分でも経験することがあったので、必要かなあと月割り計算機能を付けてみたのですが、設立月から最低一人の従業員に給与の支払いがないと継続雇用者はゼロになって、二期目は適用できないことになるんですよね。
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法人設立と同時に従業員を雇って、設立月から給与を支払うというケースはあんまりないように思えますし、今までの制度と違って、設立二年目の所得拡大促進税制の適用は意外と厳しいのかもしれませんね。
集計はシンプルになりましたが、設立初年度も使えなくなりましたし、新設法人には優しくない制度になったのかも^ ^;。
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神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です

領収書を付けるのか?付けないのか?

前回の日記に引き続いて、所得拡大促進税制のエクセルシート作成の話。
給与の集計に合わせて、教育訓練費の明細書も一緒に作成できるよう、入力フォームの案を検討中です。
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教育訓練費の増加による上乗せの規定の適用を受けるためには、以下のような項目を記載した書類の添付が必要なのですが、

租税特別措置法 第五条の十二
6 施行令第五条の六の四第十六項に規定する財務省令で定める書類は、法第十条の五の四第一項又は第二項の規定の適用を受けようとする年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される同条第一項第三号に規定する教育訓練費の額及びその年における同条第三項第十号に規定する比較教育訓練費の額又は同項第十一号に規定する中小企業比較教育訓練費の額に関する次に掲げる事項を記載した書類とする。

  1. 施行令第五条の六の四第十五項各号に定める費用に係る教育訓練等の実施時期
  2. 当該教育訓練等の内容
  3. 当該教育訓練等の対象となる法第十条の五の四第三項第一号に規定する国内雇用者の氏名
  4. その費用を支出した年月日、内容及び金額並びに相手先の氏名又は名称

中小企業庁の手引きの記載例には「その費用を支出した年月日、内容及び金額並びに相手先の氏名又は名称」は、明細に記載する代わりに領収書を添付する形で例示されているのですが、申告書に領収書のコピーを該当枚数添付するのは面倒そうに思えてしまうのは私だけでしょうか?
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領収書をコピーするぐらいなら、明細の方に支払日と金額と支払先を入力する方が楽そうじゃないのかなあ・・・。あと参加者も別途名簿を作成するよりは、明細に一緒に書いてしまった方が楽なような気がするし。うーん、どうなんだろ?


※先週末は古い友人と新宿御苑に、「君の名は。」の聖地巡礼(?)に。
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おしゃれな雰囲気の中、いろいろな話に興じていたのですが、

この年になるとマイホームの話も子供の話も周回遅れで経験談を聞くような感じで、人それぞれだとは分かっていても、何となく焦っている自分もいるんですよね。
娘が20歳の時は還暦越えか・・・。がんばらないと!


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2年間継続して給与支給があるから、継続雇用者って訳にも行かないですね

30年4月1日開始事業年度から制度が変わる「所得拡大促進税制」(大企業は設備投資も要件になるから「賃上げ・生産性向上のための税制」というようですね)ですが、「中小企業向け所得拡大促進税制」のガイドブックが中小企業庁のホームページに掲載されていたので、確認してみました。
中小企業庁:積極的な賃上げに取り組む企業を応援します(中小企業向け所得拡大促進税制)


中小企業向け所得拡大促進税制は、以下のように
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基本は

  • 継続雇用者の給与が前期比1.5%以上で、増加額の15%の税額控除

さらに継続雇用者の給与が前期比2.5%以上で、かつ以下のいずれかの条件を満たすと増加額の25%の税額控除になるのですよね。

  • 教育訓練費が前期比10 %以上増加
  • 中小企業等経営強化法に基づく力向上計画の認定を受けており、経営力向上が確実に行われている


とりあえず新しい制度でも、国内雇用者に対する給与等を集計後、継続雇用者に対する給与等を抜き出さないとダメなので、
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  1. まず国内雇用者に該当しない、役員等と国外勤務者の給与を抜いて集計した後、
  2. 継続雇用者の給与を抜き出して集計する

という二段の作業が必要になりますね。


継続雇用者は、以下の黄色のようなケースの人が該当するので、
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たとえ二年間継続して毎月給与支給があっても、

  • 雇用保険一般被保険者でなかったり、一般被保険者でない期間が一部ある場合
  • 継続雇用制度の対象である期間がある場合
  • 高年齢被保険者の期間がある場合

には、これらの人は継続雇用者に該当しないとして抜かないとダメですよね。


以下のような給与ソフトの生データを貼り付けたら、すぐに集計できるかなと思っていましたが、思っていたより面倒くさそう・・・。
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従業員情報から雇用保険の情報は吐き出せますが、雇用保険一般被保険者の判定にこれを紐づけて使うぐらいならば、従業員名簿見ながら手打ちした方が早そうですし。
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もうちょっとやり方を考えてみたいと思います。


神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です

全員分の給与データを貼り付けて、継続雇用者分を抜き出すのが楽かな?

30年4月1日以降開始事業年度から適用される、新しい所得拡大促進税制。
今までよりは集計がかんたんになっているはずですが、どんな感じかなあと、とりあえず別表をエクセルにしてみました。
別表6(23)と
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その付表の二枚になるんですよね。
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集計が簡単になったとはいえ、雇用者給与等をいったん集計した後、その中から継続雇用者の給与等を抜き出す形になるみたいですが、
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継続雇用者は「当期と前期の全期間の各月において給与等の支給がある雇用者」なので、毎月の給与を貼り付けたうえで、全期間の毎月支給があるかどうかを判定させる必要がある感じですよね。
給与ソフトから以下のように、従業員データと二期分の給与データを吐き出して貼り付けて、
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そこから役員や国外勤務者などを除外して集計し、更に2年間毎月支給がある人だけを継続雇用者分として集計させるのが楽な感じでしょうか?
まあ手引きなどもまだ出てないみたいですし、ゆっくり考えてみたいと思います。


※今日のお昼は、アジフライ定食。
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やっぱり揚げたてのサクサクをいただくのはたまらないですね(*^^*)。


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