夢見る税理士の独立開業繁盛記

神戸市東灘区で開業している駆け出し税理士の、試行錯誤日記

事務所ホームページはこちらです→神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所

独立開業体験記集を作成することになりました

私の所属する若手税理士の団体で、独立を目指している若い税理士さん向けに、独立開業体験記集を作成することになりました。
若い会員の中には勤務税理士をしながら、いつかは独立と考えている方が結構いらっしゃるので、そういう方が独立開業を決心するための後押しになればという企画なのですが、三十歳代、四十歳代で開業してそれなりに成功している会員も多いので、個人的にもそんな方の体験記を読んでみたいと楽しみな企画です。


税理士の場合、税理士になるまでにバックグラウンドもいろいろですし、事務所の運営方法も人によって全然違うので、以下のような項目のうち書ける部分について書いていただければなと思っています。

1、プロフィール

2、事務所概要

3、独立のきっかけ

4、事務所の選び方

5、独立形態の決定方法

6、事務員

7、開業資金の額と使途

8、使っている会計ソフト、税務申告ソフトなど

9、パソコン、複合機など

10、ある1週間の業務の流れ

11、顧問先獲得の方法

12、顧問先への対応で意識していること

13、本会会務、支部会務、青税活動などへの対応

14、プライベートはどうしているか

15、ズバリ開業前と開業後を比べて収入は?

16、事務所運営がうまくいくコツは?

17、独立にあたっての失敗談

18、独立してうれしかったこと

19、独立してから大変だった出来事

20、今、不安なこと

21、将来像

22、正直独立してどうか

まだ独立していない若い税理士さんとお話するときには、いつも独立開業を勧めてしまうのですが、税理士事務所は実際なかなか失敗しにくい業種だと思います。
税理士事務所は机とパソコンと電話があれば開業できるといいますが、他業種に比べると設備も仕入も大きな事務所も不要ですし、一人でやる場合には人件費も要らないので、大きく始めない限り設備資金や運転資金はほとんどかからないのですよね。
また資格業で参入障壁も高いので、比較的競争者も少ないと思います。

飲食業や小売業などの場合、多額の設備資金や運転資金が必要な上競争者も多く、今までも結構失敗事例を見てきて失敗したときのダメージの大きさも知っているので、うかつに開業を勧められませんが(^^;、税理士事務所の場合独立のリスクよりリターンの可能性が十分大きいような気がしますし、なにより周りの独立した税理士さんで失敗したという話を聞いたことがないのですよね。
この独立開業体験記集が、若い税理士さんの独立のきっかけの一つになればなあと思います。


※自分の開業体験記、とりあえず書いてみました。
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私も開業して来月でとうとう10年目になるのですよね。
私のような文学部卒で経理と債権回収と会計事務所の経験しかなくて、営業なんて到底できない人間でも、独立してそれなりに満足する結果になったと思っているので、そんな体験も誰かの参考になってくれるかなあ・・・。



神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です

ローテクかもしれないけど・・・

前回の日記で書いたExcel研修の講師をお引き受けした件、すき間時間でレジュメを少しずつ作成中。
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当日はパソコン教室でプロジェクターで説明しつつ実際に手を動かして体験できる形になるので、Excelと会計ソフトを連動させればこれだけ効率的に仕事ができるということを実感してもらおうと、練習ファイルなどもいろいろ作っていると、楽しい反面なかなか終わらないですね(^^;。
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ただこの研修でぜひ持って帰っていただきたいのは、データとして存在する取引データはうまく使えば、そのまま会計ソフトに取り込む方法がきっとあるはずということです。
顧問先が作成したこんなシンプルな現金出納帳でも、
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勘定科目がないから使えないとあきらめずに、今回の研修でお渡しするエクセルファイルを使えば以下の動画のように、

顧問先が作成している出納帳を弥生会計に取り込む方法
弥生会計に取り込むことができる形式に変換することができます。
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クラウド会計などに比べると、Excelを使った取引データの取り込みはローテクで面白みが感じられないかもしれませんが、お金をかけずに手元のExcelだけでもこれだけのことができるんだということを感じていただければ嬉しいですね。



※私の事務所のホームページで公開している「所得拡大促進税制計算シート」。京都の税理士さんから500人対応版も作ってほしいとの依頼をいただいていたので、29年4月以降開始対応版にアップデートするついでに作成してみました。
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納税があり、かつ従業員の給与が増えていないと使えないこの制度ですが、私のお客様でもだんだん使えるケースが増えてきているような気がします。
本日お伺いしたお客様も今期は使えそうな感じだったのですが、この制度が使えそうということは従業員の給与を増やしたうえに利益が出ているという順調な証ですので、やっぱりうれしいですよね(*^^*)。


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上手く使えば早く帰れるExcelの力、伝えられるかなあ・・・?

税理士さん向けのExcelの活用方法の研修講師を依頼いただいたので、どんなことを紹介したらお役に立てるかなと、筆をなめなめレジュメを作っています。
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一番にお伝えしたいことは「データとして存在する取引記録を、会計ソフトに再度手入力することは愚の骨頂」、「仕訳帳など会計ソフトのデータは、そのまま色々な資料を作成する材料になる」ということですが、割と長丁場な研修になりそうなので、関数の使い方やショートカットなど基本的なこともお話ししようかなと考えています。


税理士登録して色々な税理士さんとお話しするようになってから時々感じることに、「会計ソフトと税務ソフトだけで、Excelをほとんど使わない会計事務所というのも結構あるんだなあ」ということがあります。

新卒で一般企業の経理になって以来、生の販売データや会計データを加工して、請求書などの外部向け資料や売掛金の回収状況などの上司・他部門への報告書類など毎日Excelでガンガン作成していたので、「経理業務にExcelは必須スキル」と思っていたのですが、会計事務所の場合は意外とそうでもない感じなんですよね。

  • 既にExcelに入力されたデータを印刷して、会計ソフトに打ち込みなおす・・・。
  • Excelの表にある数字を、計算機で足し算していく・・・。
  • 取引先ごとの売上金額の集計を、元帳を印刷して、マーカーを引いて、それを計算機で足し上げる・・・。

Excelに親しんできた人間から見たら悪い冗談としか思えない話を、知り合いの税理士さんから聞くたびにトホホな気分になっていたのですが、会計事務所は一般企業に比べて早くから専用機によるOA化が進んでいたことで、逆に専用機一辺倒になってExcelなどの汎用ソフトを使わなくても業務が回る環境が出来上がっているのかもしれませんね。


会計・経理業務とExcel、これ以上相性のいい組み合わせは滅多にないはずです。「会計ソフトと税務ソフトだけで十分」と思っている税理士さんや会計事務所の職員の方に、Excelを使えば早く帰れるからもっとExcelと仲良くなりましょうって、そんなことをお伝えできる研修にしたいなあと思います。


※味気ない文書にイラストでもと、レジュメにいらすとやさんの画像を使わせていただきました。
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宮本武蔵のイラストまであるのがすごいです(^^;。


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だんだん記載欄が増えていく・・・

私の事務所のホームページで公開しているエクセルの「所得拡大促進税制計算シート」ですが、29年4月以降開始事業年度から計算方法がかなり変わるので、改良版を作ろうと検討中。


とりあえず新しく公開された別表(別表六(二十三))をエクセルで作ってみました。
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上半分の記載欄は22個。以前のものは13個だったので、だいぶん計算欄や判定欄が増えてしまってますよねえ。
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特に右側の判定がかなりややこしくなった感じです。
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4月以降開始事業年度とそれより前の事業年度も同じ別表で計算できるようにしているのが、ちょっと無理しているというか・・・。


29年4月以降、特に中小企業は、

「雇用者給与等支給額の基準年度(24年)の雇用者給与等支給額からの増加額の10%」+「雇用者給与等支給額の前年度の雇用者給与等支給額からの増加額の12%」

と制度がぐんと拡充されて良くなっているのですけど、その分計算が煩雑になってしまうのは致し方ないのでしょうかねえ。
エクセルファイルも、がんばって仕上げてみたいと思います。


6月より所属する支部の調査研究委員長になってしまったので、出来上がったら新しい所得拡大促進税制、勉強会のテーマに自薦してみようかな(^^;。


※とりあえず適当な数字を入れて動作テストをしてみましたが、前年の数字などにももちろんよりますが、上乗せ分の12%は結構インパクトある感じです。
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今までの倍ぐらいの控除額になるケースも、結構出てくるのかもしれませんね。


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「こんなことできたらいいな・・・」が実現できるのがVBA

建設業許可を取っているお客様があると、毎年の決算変更届に必要な財務諸表の作成を依頼されることがあります。

この財務諸表、税務で作成した決算書を下記のような決められた書式に転記しなければならず、また若干勘定科目の組み換えも必要ということで、単純な割には結構面倒な作成作業になってしまいます。
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毎年発生するこの作業をどうにか楽に済ませたいと去年作成したのが、こちらのホームページからダウンロードできる「建設業許可決算書自動作成シート」です。
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弥生会計の試算表データをエクスポートして取り込むと、貸借対照表、損益計算書、完成工事原価報告書、株主資本等変動計算書をほぼ自動で作成します。
今年もこのファイルを使ったところ、前回まで決算書から手で転記して、勘定科目組み替えて、内容チェックしてという作業に数十分はかかっていたのが、今回は弥生会計からデータを出力して、取り込んで、内容チェックしてという感じで10分もかからず終わらせることができました。

このファイルのように個人的に「こんなことができれば楽なのに・・・」と思っても、ニッチすぎて他にニーズがないようなものの場合、それを自分で実現できるのがこのExcelVBAですよね。
VBAはパソコンにExcelが入っていればすぐに作成を始めることができますし、私のような文学部出身の人間でも、仕事の片手間に時々触っているだけでもなんとなく使えるレベルにはなるほどハードルは低いので、「この作業、単純なのに時間だけかかって本当に面倒・・・」というような作業があれば、VBAは頼りになる解決法の一つだと思います。
私もそうでしたが、「この毎日やってる不毛な作業を自動化出来たら、もっと早く帰れるのに」というような(不純な?)モチベーションがあれば、VBAは意外とすぐに使えるようになる気がしますね(^^;。


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自分で「あったら便利だな」とか「これだったら欲しいな」と思えるのが大事かな・・・?

所属している税理士さんと弁護士さんとの勉強会で「本ってどういう風に出版するの?」と聞かれることがあったので、以前勉強会で作った資料を引っ張り出してきてみました。

開業してすぐのころ記帳指導の経験をまとめたメモを、以下の本として出版していただいた経緯が上記の資料ですが、
CD-ROM付 3日でマスター!個人事業主・フリーランスのための会計ソフトでらくらく青色申告

CD-ROM付 3日でマスター!個人事業主・フリーランスのための会計ソフトでらくらく青色申告

こちらの本は未だに絶版とならず、14刷まで版を重ねています。

初めて書いた本にも関わらず、商業出版として採用いただきここまで増刷になったのも、この本を記帳指導という実体験をした上で、「記帳指導の時、こんな本があれば便利だろうな・・・」という視点で書いたことかなあと思っています。


当時書いた企画書も、改めて読んでみました。

【企画書】

<企画の趣旨>
 個人が事業を始めた場合どうしても避けることができない手続きに、所得税の確定申告があります。この確定申告には「帳簿不要の白色申告」と「帳簿が必要だがメリットの多い青色申告」の2つがあります。
 帳簿が必要な青色申告は一見難しいように思われますが、最近の進化してきたパソコン会計用のソフトを使うと、帳簿作成に求められる簿記などの知識は最低限でこの青色申告を行うことができるようになっています。


私は2007年の7月から翌年の2月までの8ヶ月間、個人事業を始めたばかりで帳簿のつけ方が分からないという方々のもとへ、記帳指導の担当税理士として税務署より派遣されることがありました。様々な業種の方のもとへ派遣されましたが、指導を進めていくうちに、質問を受ける点やつまづくところ、疑問に思う点には、共通する部分が多いことに気がつきました。
そういった方にパソコン会計を提案し、若干のコツとともに指導させていただいたところ、20代の簿記を全然知らない方からパソコンが苦手という年配の方まで、ほとんどの方が自力で青色申告に必要な帳簿を作成できるようになっていきました。
その経験を踏まえ、私の事務所の新規顧客やパソコン会計教室の受講者向けに、パソコン会計の導入を前提とした、書類の管理方法や会計ソフトの入力方法といった経理体制の構築に主眼をおいた添付の様な小冊子を作成し配布したところ、スムーズに経理のルーチンワークをこなせるようになったと、おおむね好評をいただくことができました。


 確定申告・青色申告の解説書については現在類似書が多くありますが、既に出版されている書籍には確定申告書・所得税に関する詳細な説明の方に重点を置き、章建てなどの構成がいざ自分で取り掛かる場合の作業手順と必ずしも一致していないものが見受けられます。また手書きによる帳簿作成を前提とした解説書も、何冊か見かけられました。
実際に青色申告にチャレンジされてつまづいた初心者に話を聞くと、大半の方はそういった解説書を購入しながらも、最後まで読みとおすことができず途中で投げ出したということでした。その理由としては、解説が多少詳しくとも書籍の構成が実務の流れと異なっているのでつまづいてしまい、そこであきらめてしまったということが多くありました。
もちろん確定申告書の概要に始まって、確定申告・所得税について詳細に説明する既存の解説書の形式は、解説書としての本来の姿です。また手書きで帳簿を作成することは、経理の手続きをすべて自分の手で行うことになり、帳簿作成について隅々まで理解するには大事な手順ではあります。
しかし初心者の多くが求めているのは詳細な解説書ではなく、最小限の努力で確定申告書を作成するためのマニュアル本であるというのが、数十人の初心者に青色申告のやり方を指導してきた結論です。


そこで本企画では、類似書によくある確定申告の意義や所得税・帳簿の仕組みといった概念については解説を最小限に抑え、パソコン会計を前提として確定申告を行う場合に限定し、必要となる手続きや経理体制の構築方法に重点をおいて解説します。
また、初心者がつまづきがちな点について、項目ごとに「タイトル」、「重要ポイント」、「解説」の3段構成とし、利用者が頭からすべて読まずとも、「タイトルと重要ポイントの読み流し」「目次から必要な部分をピックアップして読む」といった、マニュアル本として利用できる形にします。その上で項目の順番については、経理体制の構築に際したどるべき手順にそって構成します。
 

本企画は、パソコン会計を使って青色申告による確定申告を行う方に対象者を限定し、最低限必要な実務上の手続きを詳しく解説することにより、これからパソコン会計を使って複式簿記による青色申告にチャレンジしたいという方のお役に立つことができると確信しています。


<企画の特長>

  1. 税理士が、税務署から個人事業者の記帳指導に派遣された際の実際の経験に基づき、経理の初心者が共通して悩むポイントに重点をおいて解説します。
  2. 白色申告に比べメリットの大きな青色申告について、パソコン会計の使用により簡単に行うことができることを説明し、心理的なハードルを下げることを目指します。
  3. 初心者がアレルギーを起こす専門用語を交えた経理知識の解説は極力排除し、パソコン会計を使う場合に最低限必要となる知識・ノウハウの解説に重点をおきます。
  4. 経理体制の構築にあたって、実際にたどる手順にそって解説します。
  5. 確定申告書の前段階である決算書を作成する方法の解説に重点をおき、確定申告書の作成については簡単な解説にとどめます。


<対象とする読者層>

  1. 個人での開業を決意し、開業準備中の方
  2. 開業すぐの個人事業者で、会計ソフトを買ったが使い方が分からない方
  3. 開業すぐの個人事業者で、経理体制の構築に際し何から手をつけるのか分からない方
  4. 青色申告は面倒という思い込みで、現在白色申告を行っている個人事業者の方

弁護士さんが書いた原稿でも「これは誰を読者として想定しているんだろう?」とか「これを読んで読者は何かプラスになるのかな?」と思えるようなものもあったりするのですが、ビジネス書として採用してもらうためには、自分で「こんな本があったら便利だな」とか「これだったら自分でも欲しいな」と視点を常に意識しながら書いていけば、「これだったら十分売れるかも」と出版社の担当者の目にも留まるのかなあなんて思います。


※レシートの整理で困っているというお客様がいらっしゃったので、お勧めの方法を提案するため、百均の整理ケース(?)を購入。
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上記の本にも書いたのですが、レシートや領収書などをもらった時に「現金」、「預金」、「クレジットカード」の3つに分類しておくと、入力する際には現金出納帳、預金出納帳、買掛帳など補助簿のそれぞれでまとめてガーっと入力できるので、整理と入力が一気通貫で楽なような気がします。
こういうTipsも、記帳指導を経験したからこそですね。もう10年前のことになるのですが、経理の経験が全然ないような人はどんなことで悩むのかがいろいろ分かり、記帳指導は本当にいい経験になりました。


神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です