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夢見る税理士の独立開業繁盛記

神戸市東灘区で開業している駆け出し税理士の、試行錯誤日記

免税事業者と簡易課税選択届と経過措置と

今回の税制改正で改正されたものの一つに、消費税の簡易課税制度のみなし仕入率の見直しがあります。
具体的な変更点は、以下のような感じです。
・今まで第四種事業(60%)だった「金融・保険業」が、第五種事業(50%)に変更
・今まで第五種事業(50%)だった「不動産業」が、新設の第六種事業(40%)に変更


この新規定の適用開始は、原則平成27年4月1日以後開始事業年度ですが、経過措置として「平成26年9月30日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した事業者は、平成27年4月1日以後に開始する課税期間であっても当該届出書に記載した「適用開始課税期間」の初日から2年を経過する日までの間に開始する課税期間については、改正前のみなし仕入率が適用されます」という規定が設けられています。

国税庁のパンフレット


ここでふと思ったのが、25年の課税売上が1,000万円以下で現時点では免税事業者であっても、26年の課税売上が1,000万円を超え28年は課税事業者になってしまう見込みの場合、26年9月までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出すればこの経過措置の適用を受けられるのかなということです。


消費税法的には、免税事業者は消費税簡易課税制度選択届出書を提出できないとされていますが、なぜか通達の方で免税事業者も出してOKというようになっているので、結果として提出することが可能になります。

消費税法第37条(中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例)
事業者(第9条第1項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が、その納税地を所轄する税務署長にその基準期間における課税売上高(同項に規定する基準期間における課税売上高をいう。以下この項及び第38条第1項において同じ。)が5000万円以下である課税期間(第12条第1項に規定する分割等に係る同項の新設分割親法人又は新設分割子法人の政令で定める課税期間(以下この項及び第38条第1項において「分割等に係る課税期間」という。)を除く。)についてこの項の規定の適用を受ける旨を記載した届出書を提出した場合には、当該届出書を提出した日の属する課税期間の翌課税期間(当該届出書を提出した日の属する課税期間が事業を開始した日の属する課税期間その他の政令で定める課税期間である場合には、当該課税期間)以後の課税期間(その基準期間における課税売上高が5000万円を超える課税期間及び分割等に係る課税期間を除く。)については、第30条から前条までの規定により課税標準額に対する消費税額から控除することができる課税仕入れ等の税額の合計額は、これらの規定にかかわらず、当該事業者の当該課税期間の課税標準額に対する消費税額から当該課税期間における第38条第1項に規定する売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額の合計額を控除した残額の100分の60に相当する金額(卸売業その他の政令で定める事業を営む事業者にあつては、当該残額に、政令で定めるところにより当該事業の種類ごとに当該事業における課税資産の譲渡等に係る消費税額のうちに課税仕入れ等の税額の通常占める割合を勘案して政令で定める率を乗じて計算した金額)とする。この場合において、当該金額は、当該課税期間における仕入れに係る消費税額とみなす。

消費税法基本通達13−1−4(簡易課税制度選択届出書を提出することができる事業者)
簡易課税制度を適用できる事業者は、簡易課税制度選択届出書を提出した事業者で、当該課税期間の基準期間における課税売上高が5,000万円以下である事業者に限られるのであるが、当該簡易課税制度選択届出書の提出は免税事業者であってもできるのであるから留意する。(平9課消2−5、平15課消1−37により改正)


というわけで先週早速、免税事業者の方について「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出したのですが、今週電話をいただいて「課税事業者選択届も一緒に出してください」と怒られてしまいました・・・。
消費税法基本通達13−1−4があるから、免税事業者が出してもOKじゃないんですか?」と聞いたところ、後ほどお電話で「提出することはOKです。だけど税務署のシステムは、課税事業者でないと簡易課税選択届の提出の有無のチェックを入れることができないので、システム上もしかしたら28年は本則課税のお知らせを送ってしまうかもしれません。その時は先生、ご指摘くださいね。」というご連絡をいただくことに。
確かに免税事業者が簡易課税制度だけを選択するケースなんてまずないですし、システムもそんなことを想定していないのかもしれませんね(^^;


神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です