夢見る税理士の独立開業繁盛記

神戸市東灘区で開業している駆け出し税理士の、試行錯誤日記

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赤字案件の受注とアドバイスの難しさ

先々週作成してこちらのホームページで公開している、エクセルの「工事台帳作成シート」。工事案件別の損益を一目で確認できる一覧表も作成できるようにしてほしいというご意見をいただいたので、機能を追加してみました。

集計ボタンを押すと、現時点での工事案件別の損益や経費一覧を自動集計し、一目で確認できるようになっています。


案件別の損益管理ができるようになると、次に必要なのが「赤字案件の特定と回避の検討」です。

現場別の粗利率が償却費など共通原価と販管費を賄えるラインを下回ると、それは赤字案件となってしまって、たとえこなしても会社の利益には貢献しないことになってしまいます。
というわけで会計事務所からの提案としては、赤字案件とならないようにまず目標となる粗利率を20%や30%と決めてもらう。そして粗利率がそれを下回る案件は請負金額の上乗せや、初めから目標利益率を下回りそうな案件は受注の回避などをアドバイスすることになります。
ただこんなアドバイスをすると、「簡単に言ってくれちゃって・・・」と怒られてしまうこともしばしばです。


「次の受注のためには、多少赤字でも引き受ける」、「たとえ赤字案件でも、人や設備を遊ばせておくよりまし」、「資金繰りのためには、案件を選んでいられない」、「利益率が悪くても、工期が短いから何とかなる」などなど・・・。こういった理由はもちろん理解はできるし、仕事上の力関係など門外漢の税理士には分からない部分もきっとあるでしょう。
しかし数字上恒常的に赤字となってしまうような得意先であれば、値上げの交渉が必要だろうし、それでもダメなら思い切って諦めてしまわないと、いつまで経ってもジリ貧だろうなと、門外漢であっても経験的に感じることもあります。


会計上の数字しか見ていない税理士が、どこまで適切なアドバイスができるのか?どんなアドバイスをすれば役立つ情報になるのか?どこまで踏み込んでアドバイスすべきなのか?難しい課題です。


神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です