夢見る税理士の独立開業繁盛記

神戸市東灘区で開業している駆け出し税理士の、試行錯誤日記

事務所ホームページはこちらです→神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所

会計王→弥生会計 仕訳日記帳変換シートを作ってみました

私の事務所では弥生会計をメインの会計ソフトとして使っているので、会計王やPCA会計といった弥生会計以外の会計ソフトを使っている顧問先の場合、基本その会計データは事務所で弥生会計に取り込んで管理するようにしています。
取り込む際には開業以来「会計コンバータ2」というソフトにお世話になっていたのですが、昨年の消費税率UPの時にソフトをアップデートしようとしたところ、なぜか失敗ばかり。
何でかなと販売元の会社をググってみると、昨年夏に清算結了しているとの情報が・・・。うーん、こんなことってあるんですよね・・・。

仕方ないので、エクセルで会計王の仕訳日記帳を、弥生会計にインポート可能な仕訳データに変換できるソフトを作ってみました。
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変換する際にちょっと面倒なのが、消費税の課税区分データの持ち方が二つのソフトで違うこと。
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会計王は

課税区分コード:21
課税区分名称:課売仕入
税処理コード:3 
税処理名称:税込 
税率:10%

といった感じで、税区分や、税抜・税込、税率、簡易課税の事業区分をそれぞれ別データで持っているのですが、

弥生会計

課対仕入込10%

といった感じでこれらの情報を一つで持っているので、これをうまく変換するのがちょっとコツが要りますよね。
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5%のころは税率の情報はなく、「課税売上」とか「課対仕入」のみだったからもっとシンプルだったのに。

でもエクセルのいいところは、こういった自分が欲しいなというニッチなソフトを、気軽に自前で作ることができることですよね。
次はPCA会計版にチャレンジしてみたいと思います。
→このエクセルファイルは、こちらのホームページからダウンロードできます



神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です

税効果会計計算シートを修正しました

私の事務所のホームページで公開している「税効果会計計算シート」ですが、「税効果会計に係る会計基準」の改正が去年あったので、一部修正しました。
改正内容は、以下の二つになります。

  1. 今まで長期・短期に分けて表示していた繰延税金資産繰延税金負債を、分けずに集計・相殺した上で、繰延税金資産が多い場合には「投資その他の資産」、繰延税金負債が多い場合には「固定負債」に表示
  2. 評価性引当額の内訳と税務上の繰越欠損金に係る情報の注記の追加


1の繰延税金資産・負債を一律固定区分に表示するのは、長期・短期を考える必要がなくなったので楽になった感じですかねえ。
修正した計算表も計算要素がかなり減って、シンプルになりました。
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改正に際してのパブコメのコメントを読むと、

IFRS の取扱いについては、当時の IASB の審議資料において、繰延税金資産及び繰延税金負債のすべてを非流動区分に表示する根拠として、決算日以後に納付する法域では、解消時期が 1 年以内の一時差異についても、1 年以内にキャッシュ・フローは生じないことに留意した、と記載されていた点を踏まえ、我が国においても同様の事情があることを確認した上で、検討している。
また、米国会計基準の取扱いに関しては、複雑性を低減する簡素化の取組みを理由に変更したとされている点を踏まえ検討している。

と一応IFRS米国会計基準を参考にした上で

(2)「換金性のある資産ではない」ことを根拠とすること及び(3)1 年基準に基づく流動固定分類の考え方との整合性について、流動又は非流動区分に表示する取扱いもすべてを非流動区分に表示する取扱いも一定の論拠があることを確認した上で、財務諸表作成者の負担が軽減されること等を勘案し、すべて非流動区分に表示する方法を採用することとした。

で、結局実体のない資産・負債だから、手間を考えて一律固定で集計してもいいんじゃないという理由なんでしょうね。


2の注記の追加については、スケジューリングの表からできるだけ数字を拾えるよう、繰越欠損金額の発生年を5年まで増やしてみましたが、正直ここまで必要なのでしょうかねえ・・・。
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「予定は未定」と言ってしまったら身も蓋もないんでしょうけど、何年も先の欠損金の解消予定とか、どこまで精緻に予測しないとダメなのかしらと思ってしまいます。
まあ今年はこのシートで、会計士さんのダメ出しなしでちゃっちゃと終わらせられたらいいのだけど。


※先週末はクラウド会計freeeの講習会と、出版社との打ち合わせに東京に。
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遅れ馳せながら最近初めてクラウド会計にチャレンジしているのですが、今までの会計ソフトとは大分勝手が違うので、うんうん試行錯誤の連続です。
ネットバンキングやクレジットカードを多用している人は便利そうだけど、そうじゃない人には却って大変だったのかもと、ちょっと自信喪失な感じです(^^;。
「少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。」きっとまだまだ知らない機能がありそうだし、やっぱりちゃんと教えてもらうべきなのかなあ・・・。


神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です

帳簿チェックのマニュアル書いてみようかな

先日お客様のところで月次決算のチェックを行っていた際、なぜか背後に感じる熱い視線・・・。
振り返ると日商簿記の試験に合格したばかりで実務経験がない方が「簿記の勉強と実務って全然違うんですね」ということで、どんなことをしているのか観察していた(^^;ということだったのですが、試算表からドリルダウンで元帳や伝票を確認していく手順は、「仕訳を起こして元帳に転記して試算表を作成」という簿記検定で習う手順と逆なので、初めて見ると全然違うように見えるのでしょうね。


経理の仕事に興味を持ってもらえるのは嬉しいものですが、簿記の基本をマスターしている方には、取引を入力して帳簿を作成する作業と、作成された帳簿が正しいかどうかチェックする作業はアプローチの仕方から違うことを知ってもらって、月次決算まできっちり出来るようになってもらえればなあなんてつい期待してしまいます。
貸借対照表ならそれぞれの勘定科目の性格を考えながら、証憑と突き合わせてあるべき残高になっているか?
損益計算書なら、月次対比や年次対比で大きな変動や異常値がないか?
こういった感じで経理担当者が自分で帳簿を作成した後その帳簿が正しいか自分でチェックができれば、経理担当者としてのレベルは上がりますし、会計事務所にとっても手間が大幅に省けることになります。
帳簿のチェックの方法やコツを項目別に文書化しておくと、自計化できている顧問先のレベルアップのテキストにも将来誰かに仕事を教える時のマニュアルにもできそうですし、いろいろ使い道がありそうな気がしますね。


久々にみつ子さん、菜穂美さん、雅之君、撫子さんに登場してもらって、帳簿を作成する経理担当者の視点と帳簿をチェックする会計事務所の視点から、日常経理のコツと月次決算のチェック方法、決算書・申告書作成方法まで解説するマニュアル、項目別に少しづつ書いてみようかな・・・。
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※今年は最後に、明石海峡大橋を渡って戻って仕事納め。
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勤務のころは移動といえば専ら電車で、車は免許は持っていても運転が下手なこともあって滅多に乗らなかったのですが、独立してまさか自分がこんなに運転するようになるとは予想もしていませんでした。
場所によっては電車移動より格段に速いですし、地域にもよるのかもしれませんが、税理士の仕事道具として車は大事なのかもしれませんね。


神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です

摘要別と補助科目別の損益計算書も一緒に作成する機能もつけてみました

前回の日記でご意見をいただいていた、私の事務所のHPで公開している「資金繰り表作成シート」。
弥生会計の仕訳日記帳から、摘要別や補助科目別の資金繰り表を作成するエクセルファイルなのですが、ご意見をいただいていた摘要別と補助科目別の損益計算書も一緒に作成する機能もつけてみました。
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月次決算のレポートとして、損益計算書は参謀役で作成できる月次推移損益計算書で十分かなと思っていましたが、こうやって摘要別や補助科目別の損益計算書を作ってみてみると、報告用の資料としても使えそうですし、経理でのチェック用の資料としても使えそうですね。

摘要別損益計算書、売上や仕入は得意先の月次推移が一目瞭然で便利そうですが、
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販管費などは摘要がきちんと記載されていたら、使い道が丸わかりになってしまうので、
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経理以外の人にここまでの明細が必要なのかな(^^;?なんて思ってしまいますね。
私自身の業務でも、何かうまい使い方があるか考えてみたいと思います。

★こちらからサンプルの損益計算書ファイルの閲覧とダウンロードができます。

宅建士の実務講習も、来月講習なのに宿題が全然進まず、ちょっと焦り気味・・・。
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ちゃんと勉強しないと!


神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です

摘要別月次損益計算書は面白いかも

私の事務所のホームページで公開しているエクセルシート「資金繰り表作成シート」。弥生会計の仕訳日記帳から月次の資金繰り表を、補助科目別とか摘要別で自動作成するエクセルのシートですが、この度こちらのエクセルシートに掲示板でご意見をいただきました。ありがとうございますm(_ _)m。

初めまして。私は会社の経理担当で、毎月月次決算表を提出するのですが、社長から、資金繰り表と損益表が一緒になったものを欲しいと要望があり、エクセルで自分なりに作った表を使っています。


手順としては弥生会計で入力した後、残高試算試算表をエクセルに書き出しをして、自分で作成した表に数字をコピペしていくという作業で表を作成しています。


ですがこの作業、実に面倒で、月次決算が終わった後に、領収書がぽろぽろと出てきた場合や、科目を変更した場合修正を行わねばならず、弥生のデータを取り込んで自動で表を作成してくれるものはないかと探していた時に、こちらのページにたどり着きました。


弥生のデータをインポートして資金繰り表作成シートを実際に使い、なんて画期的なんだ!!ととても感動しました。というのも社長から補助科目別の支出も分かると良いと言われていたため、資金繰り表も補助科目別で一覧表に自動作成されていたため、まさにぴったり!と思ったのですが、よくよく見てみると、消耗品費などをクレジットで払った場合(未払金勘定で仕訳)、その数字が諸経費支出には反映されていないことに気づきました。そっか、これはあくまで資金繰り表なんだ。。。と。


大変恐縮&押しつけがましいお願いですが、資金繰り表と損益表が一体となった、さらに補助科目別にもなったような、自動作成表があったらぜひ有料で購入したいです。

こんな機能があればというご意見は、自分で気づかない視点をいただけて嬉しいものです。
というわけで、補助科目別や摘要別の月次損益計算書自体は資金繰り表より簡単にできるので、とりあえず簡単な形でこの2つを自動作成する機能をつけてみました。
★補助科目別月次損益計算書

弥生会計のサンプルデータは、P/Lはほとんど補助科目がなくて、面白くないですね。

★摘要別月次損益計算書

私の事務所では、貸借対照表は基本月次で残高を合わせていくためにもマメに補助科目を取る一方、損益計算書は基本的にお客さん任せで、私自身はほとんど補助科目を使う習慣がないのですが、そんな場合でも得意先別やもう少し細かい区分別に集計したい場合もあります。
摘要別に集計できれば、例えば水道光熱費を「電気・ガス・水道」ごとに集計して月次推移を見たいななんて思った時に、補助科目を取らなくても意外とそのまま使えそうな気がしますね。
まあ摘要を入力する際に、摘要辞書を使うとかカードや通帳のデータをそのまま取り込むとか、ブレがないようにしていく方がきれいに集計されるような気がしますが。

研修会のご案内☆彡

7月13日に私の所属する近畿税理士会芦屋支部で、経営シミュレーションの研修を行うことになりました。
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ゲーム形式で、企業会計の流れを楽しく学ぶことができるようになっているとのことで、初めて体験する私も楽しみな研修です。
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初めての方にも経理の素人でも、社長がどうやって給与を払い、借入金を返済し、税金を払うという苦労が実感できるということで、研修で得た知識を自分の仕事に活かせればなあと思います。

★この研修は、近畿税理士会の会員であれば誰でも参加可能です(認定研修時間は5時間です)
参加していただける方は、ぜひ下記のチラシをダウンロードの上、メールかFAXでお申し込みください。
チラシのダウンロードはこちらから


神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です

軽減税率の適用がある場合の税率差異への影響額の計算機能を付けてみました

私の事務所のホームページで公開しているエクセルシート「税効果会計計算」シート、自分でも年一回使う機会があるのですが、今回税率差異の部分でいろいろ聞かれることがあったので、ちょっと機能を追加してみました。

具体的には、事業税の軽減税率の適用がある場合と、中小法人等の軽減税率の適用がある場合、
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実効税率と軽減税率の差異による税額を自動で計算できるようにしてみました。
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事業税の軽減税率差異は僅少ですが、中小法人の軽減税率の場合はある程度の金額が出ますよねえ。
ただ中小法人で税効果会計をやるところが、どれだけあるのかって感じですが・・・。

しかし税率差異の検証も、会社側でやらないとダメなものなのでしょうかねえ。そのぐらい監査法人側でやってくれればいいのになんて、ちょっと思ったり。
流出項目や課税外収入の場合別表4から引っ張っればすぐ分かるのですが、それ以外のものはなかなか面倒で、そっちで検証してくれって逃げたくなってしまいます(^^;。また来年も別の論点で質問を受けたりするのかしらん。
税効果会計、年に一回だとなかなか経験値が上がらないですよね・・・。


経理をネタにしたコミック、1巻から読んでいるのですが最新刊が出ていたので読了。

今回は経済・商業の中心地が英蘭戦争などを経てオランダからイギリスに移っていった歴史をと、期間損益計算の確立といった会計制度の発展過程や有限責任な株式会社制度の確立といった、会計の歴史がメインテーマで、面白く読むことができました。
所有と経営の分離、期間損益計算による配当制度の確立と来たら、次巻はミシシッピ計画や南海泡沫事件をモデルにした話とか、それを教訓にした会計士制度の成立とかにつながっていくのかなあ。


神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です