夢見る税理士の独立開業繁盛記

神戸市東灘区で開業している駆け出し税理士の、試行錯誤日記

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日付と金額と摘要を放り込むと、仕訳帳になって出てきます

私の事務所のホームページで公開しているエクセルファイルについて、今年の年初から一部のものについてダウンロード件数が把握できるようになったので、最近の傾向を確認してみました。
ダウンロード件数は、制度が変わった所得拡大促進税制の計算シートが圧倒的に多いのですが、ちょっと寂しいのが自分の割と会心作で、自身でも良く使っている「勘定科目類推機能付出納帳→弥生仕訳帳変換シート」が一番少ないこと。


このファイル、エクセルの現金出納帳でも、ネットバンクやクレジットカードのCSVデータでも、iPadレジの売上データでも何でもかんでも、日付と金額と摘要のデータさえあれば、勘定科目を類推した上で、弥生会計の仕訳データに変換してくれる機能を持っています。
下記の画像は私のクレジットカードの利用データを一部加工したものですが、日付と金額、摘要をペタッと貼り付けて、ポチっとボタンを押すと
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以下の動画のように、カードの利用内容から勘定科目を自動で類推した上で、一瞬で弥生会計の仕訳日記データに変換することが可能になっています。
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あとはこのデータを、弥生会計の仕訳日記帳で取り込めば一丁上がりとなります。

このファイル、まるで上から材料を放り込むと下から完成品が出てくるように、日付と金額と摘要を放り込むと即仕訳帳になって出てくるので、便利だと思うのだけどな・・・。
まだまだ改良の余地があるのかもしれませんし、また他の方の意見を聞いてみたいですね。


前回の日記の内容に被るような気もしますが、身につけて今までずっと役に立ってるなと感じるスキルの一つは、このエクセルを好きなように動かすことができる知識ですね。
大学を卒業するまで表計算ソフトに触れたこともなかったのですが、卒業後最初に入った会社で後に公認会計士になられた先輩が、エクセルでオリジナルのシートやマクロを使いこなして仕事をあっという間に終わらせて、後は勉強や読書や午睡など好きなことをされていたのを見て、「これはすごいや」と思ったことがエクセルを勉強するきっかけでした。我ながらいいところに気づいて自分のものにできたなあと、20年以上たった今改めてしみじみと思います。

今生業としている税理士になったのも、その方が税理士や公認会計士の勉強をしていたことに感化された結果なのですよね。マイペースな私が、今こうやって好きなことを仕事にしながら何とか生活できているのもその先輩のおかげなのですが、後から振り返ればどんな人に出会うかで人生って変わっていくものなんだなあと感じます。
今は北関東の方に転勤されて、なかなか会える機会がないのですが、また近いうちにお会いしたいな・・・。


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細々でも継続していないと錆びつきますね・・・

弊所で作成している、試算表などの報告資料。時々英語での説明を付けてほしいというご依頼があったりするので、そういう場合には作成している試算表(もちろん日本の中小企業会計基準)に、下記のような英語を併記してお渡しするようにしています。
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サラリーマンをしているころは一応上場企業の経理だったので、普通に英語のメールのやり取りをしたり、時々は英語での応対をさせられることがあったのですが、開業してからはそういった機会はぐんと減り、たまに英語の文書を確認したり、英語メールのCCに入れられる程度になっています。
ただたまにでも英語に接していることもあって、不意に英語での資料作成を依頼されたりしても、最低限の対応はできているかなあという感じです。
一方で大学時代ネット記事ぐらいなら何とか読むことができたフランス語は、卒業後全く触れることがなくなったので、最近見ると何について書いているのかわかる程度でさっぱりな感じになってしまっています・・・。

エクセルも一般企業勤務の時は、毎日のように上司なり他部署からの求めに応じて色々な資料を作っていたので、関数でもマクロでも反射的に思い浮かぶような感じでした。
それが会計事務所勤務になってからは定型書類の作成がほとんどで、エクセルでオリジナルの資料を作るという機会がさほどなく、開業してからも一般企業時代ほどではないので、時々エクセルの資料を作ることになると「こういう場合どんな関数を使えば良かったんだったっけ?」とグーグル先生頼みになっています。

やっぱりどんなことでも継続していないと、鈍って錆びついていくものですよね・・・。一昨年受かった宅建士の知識も然り、12年前に受かった相続税法の知識は推して知るべし(^^;。普段使っていなくても、時々は勉強しないとダメですねえ。


※水曜日は淡路のお客様に愛車で訪問。気持ちのいい天気だと、長距離のドライブも苦にならないですね。
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この車も購入してから7年目。去年で減価償却も終わってしまっているのですが、相変わらず快調に走ってくれています。
自分の運転技術に自信がなく、開業までほとんど車に乗ることのなかったのですが、気が付けば6年で4万キロ。必要に迫られると、平気で乗るようになるものだと我ながらしみじみと感じています。これも継続するようになったおかげかな?
減価償却が終わったタイミングが買い替えの時期と言いますが、どうするべきか・・・?今のところは問題もないので、当分先になりそうです(^^;。


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研究開発税制でも、継続雇用者給与等支給額の必要があるんですね

今週の税務通信を読んでいると、大法人の研究開発税制の適用の際には可否判定の明細書の添付が必要という記事が目に留まりました。
適用を受けるためには、以下のイとロのいずれかに該当するか、ハに該当する必要があるのですが、

イ 継続雇用者給与等支給額 > 継続雇用者比較給与等支給額
ロ 国内設備投資額 > 当期償却費総額 × 10%
ハ 特定対象年度の基準所得等金額 ≦ 前事業年度等の基準所得等金額の合計額

イの継続雇用者等給与金額の集計は所得拡大促進税制と同じ方法で集計するので、明細書となる別表6(29)もエクセルの所得拡大促進税制の計算シートに付けてみました。
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設備投資要件は償却費の10%超と、90%超が必要な所得拡大促進税制よりは大分要件が緩いですね・・・。私の事務所の顧問先だときっと試験研究費とかほとんどないだろうし、所得拡大促進税制の要件も10%にしてくれたら良かったのになんて思ってしまいます。


※お客様への道すがら、宝塚のゴルフ場に立ち寄ってみました。
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麗らかな日差しの中、ぼんやりと桜を眺めて歩くのは心の栄養になりますね~。
確定申告が終わってからのんびりとしていますが、気が付けばもう一か月。子供がいると毎日バタバタで、時の経つのがどんどん早くなるような気がするなあ・・・。


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「償却費×90%」の設備投資はハードル高いわ・・・

今月末の決算から本格的に適用になる、新制度の所得拡大促進税制。
中小企業用は前から作っていたのですが、大企業用も作ってくれませんかというご依頼があったので、とりあえず作ってみました。
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給与の計算・集計部分は中小企業用と同じなのですが、違う別表になり、賃上げ要件が中小企業の1.5%から3%に上がる部分。そして教育訓練費の集計が三期分になる部分と設備投資要件の部分を変更しています。

別表は2枚になるのですが、旧制度との併用になるので、記載部分が少なくてスカスカな感じですね。
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私の事務所でも中小企業に該当しない顧問先があるのですが、賃上げの3%よりも「償却費×90%」の設備投資要件の方がハードル高いような気がします。
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大きな会社の場合、建物とかも自前で持っていてそれなりの償却費が出てくるので、それの90%の設備投資となると大きな機械の更新でもないと、普段はなかなか要件を満たせそうにないかなあ・・・。
無駄な設備投資をしても仕方ないですし、大きな会社はたまたま設備の更新があったら、運よく使えるかもという制度になってしまうのかも。賃上げと設備投資、ワンセットにする必要あったのかしらん。


※確定申告期間中に衝動的にアマゾンでポチってしまったおもちゃが、忘れたころに到着。
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ゲームセンターの筐体を模したミニチュアですが、USBケーブルをつなぐと、実際動いて遊べるんですよね。
実機で遊んでたのは、小学校4、5年生のころだったかなあ。35年も前の話と思うと、気が遠くなりそうです(笑)。


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帳簿チェックのマニュアル書いてみようかな

先日お客様のところで月次決算のチェックを行っていた際、なぜか背後に感じる熱い視線・・・。
振り返ると日商簿記の試験に合格したばかりで実務経験がない方が「簿記の勉強と実務って全然違うんですね」ということで、どんなことをしているのか観察していた(^^;ということだったのですが、試算表からドリルダウンで元帳や伝票を確認していく手順は、「仕訳を起こして元帳に転記して試算表を作成」という簿記検定で習う手順と逆なので、初めて見ると全然違うように見えるのでしょうね。


経理の仕事に興味を持ってもらえるのは嬉しいものですが、簿記の基本をマスターしている方には、取引を入力して帳簿を作成する作業と、作成された帳簿が正しいかどうかチェックする作業はアプローチの仕方から違うことを知ってもらって、月次決算まできっちり出来るようになってもらえればなあなんてつい期待してしまいます。
貸借対照表ならそれぞれの勘定科目の性格を考えながら、証憑と突き合わせてあるべき残高になっているか?
損益計算書なら、月次対比や年次対比で大きな変動や異常値がないか?
こういった感じで経理担当者が自分で帳簿を作成した後その帳簿が正しいか自分でチェックができれば、経理担当者としてのレベルは上がりますし、会計事務所にとっても手間が大幅に省けることになります。
帳簿のチェックの方法やコツを項目別に文書化しておくと、自計化できている顧問先のレベルアップのテキストにも将来誰かに仕事を教える時のマニュアルにもできそうですし、いろいろ使い道がありそうな気がしますね。


久々にみつ子さん、菜穂美さん、雅之君、撫子さんに登場してもらって、帳簿を作成する経理担当者の視点と帳簿をチェックする会計事務所の視点から、日常経理のコツと月次決算のチェック方法、決算書・申告書作成方法まで解説するマニュアル、項目別に少しづつ書いてみようかな・・・。
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※今年は最後に、明石海峡大橋を渡って戻って仕事納め。
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勤務のころは移動といえば専ら電車で、車は免許は持っていても運転が下手なこともあって滅多に乗らなかったのですが、独立してまさか自分がこんなに運転するようになるとは予想もしていませんでした。
場所によっては電車移動より格段に速いですし、地域にもよるのかもしれませんが、税理士の仕事道具として車は大事なのかもしれませんね。


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設立2年目の適用、意外と厳しそう

私の事務所のホームページで公開しているエクセルの「所得拡大促進税制計算シート」。
平成30年4月以降開始事業年度の中小企業者用がほぼできたので、いろいろなパターンでテストして動作確認を行ったりしています。
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意外と面倒なのが、前期と当期で月数が違う場合。


雇用者給与等支給額の調整は、措置法施行令の第二十七条の十二の五の6項に定められているのですが、比較雇用者給与等支給額の計算にあたっては
「今期より前期の月数が多い場合は、単なる月割計算」
「今期より前期の月数が少ない場合は、①前期が半年以上ある場合は前期分だけを月割計算、②半年未満の場合は前期と前々期を足して月割計算」
することになります。

租税特別措置法施行令第二十七条の十二の五
6 法第四十二条の十二の五第三項第五号ロに規定する政令で定めるところにより計算した金額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
※今期より前期の月数が多い場合は、単なる月割計算。
一 法第四十二条の十二の五第三項第五号ロの前事業年度の月数が同号ロの適用年度の月数を超える場合 当該前事業年度に係る給与等支給額に当該適用年度の月数を乗じてこれを当該前事業年度の月数で除して計算した金額


※今期より前期の月数が少ない場合は、前期が半年以上ある場合は前期分だけを月割計算、半年未満の場合は前期と前々期を足して月割計算
二 法第四十二条の十二の五第三項第五号ロの前事業年度の月数が同号ロの適用年度の月数に満たない場合 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額
イ 当該前事業年度が六月に満たない場合 
当該適用年度開始の日前一年以内に終了した各事業年度に係る給与等支給額の合計額に当該適用年度の月数を乗じてこれを当該前一年事業年度等の月数の合計数で除して計算した金額
ロ 当該前事業年度が六月以上である場合 
当該前事業年度に係る給与等支給額に当該適用年度の月数を乗じてこれを当該前事業年度の月数で除して計算した金額


一方継続雇用者給与等支給額は、措置法施行令の第二十七条の十二の五の13項ですが、継続雇用者比較給与等支給額の計算にあたって抽出対象となる継続雇用者は、以下のようになります。

租税特別措置法施行令第二十七条の十二の五
13 法第四十二条の十二の五第三項第六号に規定する政令で定めるものは、法人の国内雇用者のうち次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定めるものとする。
※今期と前期の月数が同じ場合は、前期の全ての月に給与を支払った人が継続雇用者に該当
一 適用年度の月数と当該適用年度開始の日の前日を含む事業年度の月数とが同じ場合 当該法人の国内雇用者として当該適用年度及び当該前事業年度等の期間内の各月分の当該法人の給与等の支給を受けた者


二 適用年度の月数と前事業年度等の月数とが異なる場合 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定めるもの
※今期より前期の月数が少ない場合は、前期と前々期のうち今期の月数に対応する期間給与を支払った人が継続雇用者に該当(ただし前期が設立事業年度の場合は、前期の全期間のみ支払った人が継続雇用者に該当)
イ 前事業年度等の月数が適用年度の月数に満たない場合 当該法人の国内雇用者として当該適用年度の期間及び当該適用年度開始の日前一年以内に終了した各事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には当該開始の日前一年以内に終了した連結事業年度とし、設立の日以後に終了した事業年度又は連結事業年度に限る。イにおいて「前一年事業年度等」という。)の期間(当該開始の日から起算して一年前の日又は設立の日を含む前一年事業年度等にあつては、当該一年前の日又は当該設立の日のいずれか遅い日から当該前一年事業年度等の終了の日までの期間。第十五項第二号において「前一年事業年度等特定期間」という。)内の各月分の当該法人の給与等の支給を受けた者


※今期より前期の月数が多い場合は、前期のうち直近の今期の月数に対応する期間給与を支払った人が継続雇用者に該当
ロ 前事業年度等の月数が適用年度の月数を超える場合 当該法人の国内雇用者として当該適用年度の期間及び前事業年度等特定期間(当該前事業年度等の期間のうち当該適用年度の期間に相当する期間で当該前事業年度等の終了の日に終了する期間をいう。)内の各月分の当該法人の給与等の支給を受けた者


そして今期と前期の月数が違う場合は、継続雇用者比較給与等支給額を月割り計算を行うことになりますが、第十三項の「前一年事業年度等特定期間」と「前事業年度等特定期間」の定義から、実際計算が必要になるのは前期が設立事業年度であるときだけになりますよね・・・。

租税特別措置法施行令第二十七条の十二の五
15 法第四十二条の十二の五第三項第七号に規定する政令で定める金額は、同号の法人が次の各号に掲げる場合のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める金額とする。
一 第十三項第一号に掲げる場合 当該法人の同号に規定する前事業年度等に係る給与等支給額のうち継続雇用者に係る金額
二 第十三項第二号イに掲げる場合 当該法人の同号イに規定する前一年事業年度等に係る給与等支給額のうち継続雇用者に係る金額(当該前一年事業年度等の前一年事業年度等特定期間に対応する金額に限る。)の合計額に同号イの適用年度の月数を乗じてこれを前一年事業年度等特定期間の月数の合計数で除して計算した金額
三 第十三項第二号ロに掲げる場合 当該法人の同号ロの前事業年度等に係る給与等支給額のうち継続雇用者に係る金額(当該前事業年度等の同号ロに規定する前事業年度等特定期間に対応する金額に限る。)

前期が設立事業年度というのは自分でも経験することがあったので、必要かなあと月割り計算機能を付けてみたのですが、設立月から最低一人の従業員に給与の支払いがないと継続雇用者はゼロになって、二期目は適用できないことになるんですよね。
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法人設立と同時に従業員を雇って、設立月から給与を支払うというケースはあんまりないように思えますし、今までの制度と違って、設立二年目の所得拡大促進税制の適用は意外と厳しいのかもしれませんね。
集計はシンプルになりましたが、設立初年度も使えなくなりましたし、新設法人には優しくない制度になったのかも^ ^;。
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