夢見る税理士の独立開業繁盛記

神戸市東灘区で開業している駆け出し税理士の、試行錯誤日記

賃金、報酬、給与の違いとは?

「給与と賃金ってどう違うんですか?」
聞かれるとなかなかうまく説明できないこの質問ですが、頭の中を整理するため、少し考えてみました。


小さな会社の場合給与というと、次の2つが該当してきます

  • 取締役や監査役といった役員に支払う「役員報酬」
  • 従業員などの労働者に支払う「賃金」

それぞれの特徴ですが、役員報酬は、会社と役員との間の「委任契約」に基づき支払われます。つまり会社は取締役などの役員に対し株主総会などで「会社の運営」を任せます(委任します)。そして役員はその会社の運営の見返りとして、「役員報酬」を受け取ることになります。
一方従業員などの労働者は、会社と労働者との間の「雇用契約」に基づき支払われます。すなわち会社は労働者を雇い(雇用して)、やってもらう仕事や労働時間を決めて労働力を提供してもらいます。そして労働者は労働力の対価として、「賃金」を受け取ることになります。


この「給与」と「役員報酬」と「賃金」の3つですが、

1、賃金
労働基準法など労働法で使われる言葉で、従業員など労働者が雇用契約における労働の対価として受け取るものをいいます。役員報酬は含まれません。


2、報酬
民法において委任契約の対価と雇用契約の対価などをいいます。委任契約の対価である役員報酬、雇用契約の対価である賃金の両方が含まれます。


3、給与
所得税法で「給与所得」として使われる言葉です。役員報酬と従業員の賃金の両方がこの給与所得に含まれます。

この3つの言葉は、給与計算に関連する法律によって使い分けられています。
労働基準法雇用保険法、労働保険徴収法では、「賃金」が使われ、従業員の賃金に適用されます。健康保険法、介護保険法、厚生年金保険法では「報酬」が使われ、役員報酬と従業員の賃金の両方に適用されます。そして所得税法では「給与所得」が使われ、これも役員報酬と従業員の賃金の両方に適用されます。


また給与計算で関わってくる法律は、次の法律になります。

労働基準法
労働者の労働条件を定めた法律


雇用保険法と労働保険徴収法
労働者の雇用保険労災保険(2つまとめて労働保険といいます)について定めた法律


・健康保険法、介護保険法、厚生年金保険法
役員と労働者の健康保険、介護保険、厚生年金保険(3つまとめて社会保険といいます)について定めた法律


所得税法
役員と労働者の給与にかかる所得税の扱いを定めた法律

労働基準法雇用保険法、労働保険徴収法では、「労働者の賃金」のみが適用の対象となります。また健康保険法、介護保険法、厚生年金保険法では「役員報酬と労働者の賃金」の両方が対象になります。そして所得税法でも「役員報酬と労働者の賃金」が適用対象となります。
つまり役員報酬については、労働基準法と労働保険の規定が適用されないので考えなくてもいい一方、従業員などの賃金は労働基準法と労働保険を考える必要があります。


むぅ、自分で読んでもまだまだ分かりにくいですよね・・・。どの場合に区別して考える必要があるのか。もう少し整理してみようと思います。


神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です