夢見る税理士の独立開業繁盛記

神戸市東灘区で開業している駆け出し税理士の、試行錯誤日記

事務所ホームページはこちらです→神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所

インボイス登録番号から、得意先名を自動取得できるようにしてみました

私の事務所のHPで公開しているエクセルファイル「電子取引データ索引簿作成&ファイル保存シート」。

PDFの電子取引データを放り込めば、自動で検索要件を満たす索引簿とかを作ってくれるアプリとかがあればいいなあと作っているのですが、今回インボイス登録番号から、得意先名を自動取得できる機能をつけてみました。


インボイス登録番号が記載された請求書などのサンプルがないので、とりあえず私自身のインボイス番号を使った次のようなダミーのPDF請求書を作って放り込んでみると・・・。

Tで始まり13桁連続の数字のセットを正規表現を使って抽出し、それを国税庁システムのAPIに投げて該当があれば、返ってきたデータを取引先名に引っ張ってくるようになっています。

またインボイス事業者公表サイトに該当がある場合はそのインボイス登録番号、該当がない場合には「該当なし」の旨を引っ張って、それを索引簿に記録するようにしています。

(取引先名が「小林敬幸」と個人名だと、何か違和感がありますよね・・・。屋号も登録すべきなのかしら・・・?)


動画にするとこんな感じ。

www.youtube.com
まだ上記二件のサンプルでしか試していませんが、インボイス登録番号と登録事業者判定が自動で出来るようになると、索引簿の自動作成も格段に精度が上がりそう(*^^*)。
もうちょっと試行錯誤してみたいと思います。



支部電子帳簿保存法の相談会などを開催すると、本会から補助金がいただけるということになったので(^^;、その相談会も出来たらいいなと検討しています。
今年の税制改正で保存要件が緩和されたので、電子取引データをどう保存すればいいのか、パターン別に分けた表を相談会の資料として作ってみました。

本来の電帳法の要件を満たさない場合、どういう場合でも「ダウンロード要求の対応」が必要になってくるので、結局電子取引データはそのまま保存しておかないとダメなことになるんですよねえ。
電子メール添付のPDFファイルとか、うっかり古いメールを一括削除とかで消去してしまいそうですし、やっぱり本来の要件で保存するのが一番無難なのかも・・・。


神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です

専用システム・サービスを有償で使うか、無償でエクセルの索引簿、ファイル名変更で対応するしかないですよね

来年の春ごろに所属する支部電子帳簿保存法の研修をさせていただけそうになったので、義務化される電子取引データ保存に重点を置いた研修ができればいいなと、ぼちぼちとレジュメなどを作っています。

具体的な電子取引データの保存のやり方の前に、一応かんたんな電子帳簿保存法や電子データ保存の概要の解説なども作成しているのですが、電子取引データの保存要件である真実性の要件と可視性の要件を見ていても、対策の選択肢は結局2つぐらいに絞られてくるんじゃないのかなあという感じです。


真実性の要件は以下のような感じですが、

1の「タイムスタンプが付された後、取引情報の授受を行う」は、わざわざコストのかかるタイムスタンプを付してから送ってくれる取引先がどれだけあるのかしらと思うと、この方法はまず消えますよね。


3の「訂正・削除の履歴を確認できるシステムまたは記録事項の訂正・削除を行うことができないシステムで取引情報の授受及び保存を行う」は、一見クラウドストレージに保管すればOKなように思えますが「授受」も含まれているのがくせものです。
たとえば取引先に請求書や領収書の電子データを送ってもらう場合、メール添付で送ってもらったものをクラウドストレージにアップロードするのはNGで、先方にこのクラウドストレージ経由で電子データを送ってもらって、そのうえで保存する必要があります。
取引先とクラウドストレージを共有してそれ経由で送ってもらうというのも、先方に協力してもらう必要がありますし、みんなが対応してくれるというのも期待薄ですよね。これも選択肢から消えるような気がします。


2の「取引情報の授受後、速やかに(又は業務の処理に係る通常の期間(2ヶ月+7日以内)を経過した後速やかに)タイムスタンプを付す(訂正・削除を行ったことが確認できるクラウド等にアップロードもするのもOK)とともに、保存を行う者または監督者に関する情報を確認できるようにしておく」は、
タイムスタンプ方式で行くのなら専用システムを使うのが必須になってきますし、
クラウドストレージに保管する場合にも検索要件を満たそうとするのなら、やっぱり専用のシステムやクラウドサービスの利用が必須になってくるように思えます。
専用のシステムやサービスを使うと、やっぱり初期費用や月次の費用がネックになってきますよね・・・。

逆にOneDriveやDropboxなど安価なクラウドストレージを使おうとすると、検索要件を満たすため自社での手当てが必要になってくるので、次の4の方法とあまり違いが出てこないような気がします。


4の「正当な理由のない訂正や削除の防止に関する事務処理規程を定め、その規程に沿った運用を行う」は、事務処理規程の整備さえすれば、エクセルの索引簿やファイル名変更だけで対応できるため、一番コストは安いけど、索引簿作成とかの事務作業がネックになってくる感じでしょうか?


可視性の要件は以下のような感じですが、

要点は検索機能の確保ですよね。

といっても真実性の要件と絡めて考えると、

  • 検索要件を満たす機能を持った、専用システムや専用サービスを有償で利用して対応する。
  • 無償でエクセルの索引簿や、ファイル名変更で対応する。

の2つぐらいしか選択肢がないような気がします。


来年の春ごろには新しい情報も出てきているのかなあ・・・?まあまだ研修はだいぶん先なので、ゆっくり考えていきたいと思います。


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エクセルの賃上げ促進税制計算シートを作ってみました

令和4年4月以降から開始される「賃上げ促進税制」ですが、集計作業がかんたんにできるエクセルシートを作ってみました。

二期分の給与の金額を月ごとに入力すると、必要な数字が集計され、別表様式のシートに転記されるようになっています。


今回は大法人向け制度は二年前の継続雇用者の考えが復活し、

継続雇用者給与等支給額が、前期比3%以上増加→雇用者給与等増加額の15%を控除
継続雇用者給与等支給額が、前期比4%以上増加→+10%上乗せ
教育訓練費が前期比20%以上増加→+5%上乗せ

で、最高雇用者給与等増加額の30%が控除額となります。

中小企業向けは、前年と同様雇用者給与等支給額で判定し、

雇用者給与等支給額が、前期比1.5%以上増加→雇用者給与等増加額の15%を控除
雇用者給与等支給額が、前期比2.5%以上増加→+15%上乗せ
教育訓練費が前期比10%以上増加→+10%上乗せ

で、最高雇用者給与等増加額の40%が控除額となります。

今の政権の肝いり政策とやらで控除率がかなり増えたような気もするのですが、「法人税の20%で頭打ち」という上限は以前より変わらないので、賃上げをしてもこちらの上限に引っかかってしまうケースが結構あるような気がするのですよね。控除限度超過額も翌期繰越とかできるわけじゃないですし・・・。

また中小企業の場合、中小企業向けの要件が「雇用者給与等支給額が、前期比1.5%以上増加」、大企業向けの要件が「継続雇用者給与等支給額が、前期比3%以上増加」なので、中小企業向けが使えなくても大企業向けが使えるという可能性は今回も出てきますね。
この計算シートは中小企業向けも、大企業向けも同時に計算できるようになっていますが、やっぱり両方の制度の適用可否を検討しないとダメなような気がします。
→このエクセルファイルはこちらのページからダウンロードできます


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「取引情報訂正・削除記録簿」の作成機能をつけてみました

私の事務所のHPで公開しているエクセルファイル「電子取引データ保存シート」。
一応「『訂正削除の防止に関する事務処理規程』を策定して規程に沿った運用、備付を行う」前提で使うようになっていますが、訂正・削除があった場合のデータの削除などが規程に沿っていないと、規程がお題目になってしまう可能性があるので、索引簿からデータを削除した場合には同じタイミングで「取引情報訂正・削除記録簿」を作成する機能を付けてみました。

「削除・移記」ボタンを押すと、データ削除と削除記録簿の移記が自動で行えます

まず索引簿で削除したいデータを選択し「削除・移記」ボタンを押すと、確認のメッセージが出ます。

「はい」を押すと、削除日付と削除済みの旨が索引簿に記録され、

「取引情報訂正・削除記録簿」に削除された内容が移記されるようになっています。

差し替えとかがあった場合には、いったん削除して新しいものを新規で登録するなど、削除一本で運用するほうが楽なような気がしますね。

電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程もこの表に合わせてみました

備付けなければならない「事務処理規程」の訂正・削除の部分も、「取引情報訂正・削除記録簿」の表にあうように書き直してみました。

第5条 
業務処理上やむを得ない理由によって保存する取引関係情報を訂正または削除する場合は、「取引情報訂正・削除記録簿」に以下の内容を記載の上、事後に訂正・削除履歴の確認作業が行えるよう整然とした形で、訂正・削除の対象となった取引関係情報の保存期間が満了するまで保存する。
 一 連番
 二 索引簿連番
 三 取引日付
 四 金額
 五 取引先名
 六 備考
 七 訂正・削除日付
 八 訂正・削除の別
 九 訂正・削除の内容・理由

これで「事務処理規定通りの運用ができていないじゃないか」とかいう指摘を受ける可能性を、少しは減らすことができるかしら?

インボイス番号で事業者名を引っ張ることができるようになってる!

少し前の日記でエクセルのWEBSERVICE関数を使って、法人番号から法人情報をAPIで取得できるサービスを提供してくれているサイトのことを書いたのですが、新しくインボイス番号で適格請求書発行事業者の名前も引っ張ってくる機能が追加されていました。素晴らしい!!
excelapi.org
これを使えばインボイス番号を引数に、個人事業者も法人の名前も(インボイス発行事業者であるかどうかも)かんたんに引っ張ってくることができそうですね。
取引先名をエクセルに自動抽出させる場合には、まずPDFからインボイス番号を抽出した後

  1. まず適格請求書発行事業者APIに番号を送って、業者名を抽出
  2. 該当がない場合は、法人番号APIに番号を送って、法人名を抽出
  3. それでもない場合には、ファイル内のテーブルに当てはめて取引先名を抽出

とやれば、自動抽出の精度は大分上がりそう(*^^*)


ただインボイス発行事業者検索サイトについては、こういうニュースもあるんですね。
www.itmedia.co.jp
取引する個人事業者がインボイス発行事業者であるかどうか確認できないと、この制度成り立たないですし・・・。どうするんでしょうね?


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賃上げ促進税制も有利判定が必要なのかな?

令和4年4月以降開始事業年度に適用される賃上げ促進税制ですが、来年も計算シートを作ろうかなと、別表をエクセルで作ってみました。

今回は中小企業向けも大企業向けも同じ別表で計算するようになったみたいですが、基礎数字の集計は付表で行うようになったんですね。
★別表6(31)

★別表6(31)付表1


大企業向けと中小企業向けの適用要件と控除率は、それぞれ以下のようになっています。

1、大企業向け
継続雇用者の給与等支給額が前年度比で3%以上増加→雇用者給与等増加額の15%税額控除
継続雇用者の給与等支給額が前年度比で4%以上増加→雇用者給与等増加額の25%税額控除

上乗せで
教育訓練費が前年度比で20%以上増加→+5%税額控除

2、中小企業向け
雇用者全体の給与等支給額が前年度比で1.5%以上増加→雇用者給与等増加額の15%税額控除
雇用者全体の給与等支給額が前年度比で2.5%以上増加→雇用者給与等増加額の30%税額控除

上乗せで
教育訓練費が前年度比で10%以上増加→+10%税額控除


大企業向けの適用要件は「継続雇用者の給与等支給額が前年度比で3%以上増加」。中小企業向けの適用要件は「雇用者全体の給与等支給額が前年度比で1.5%以上増加」というようになっています。
大企業向けは青色申告が要件なので中小企業も使えるのですが、適用要件が違うということは、中小企業の場合「雇用者給与等支給額では要件を満たさないけど、継続雇用者給与等支給額では要件を満たす」とか「継続雇用者給与等支給額が4%以上増えてるから、大企業向けの方が有利」という可能性がまたあり得ますよね・・・。
一度の入力で雇用者給与等支給額と継続雇用者給与等支給額を同時に集計できるようにして、両制度の適用可否と有利判定をまとめてできるようにするのがいいのかな?



神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です

印刷するより楽と言えば楽なのかも・・・

私の事務所のHPで公開しているエクセルの「電子取引データ索引簿作成&ファイル保存シート」。
私の先月分の帳簿から自分でも使うようにしてみたのですが、実戦に使うと想定外のパターンに出くわしては不具合に対応することに・・・。

今回もたまたま1,000円未満の領収書があったのですが、桁区切りされている数字しか取引金額として拾わないようにしていたので、3桁のものも取引金額として引っ張るよう改修しました・・・。
プログラムは、「こんなこともあるかなあ~?」とか頭で想像しながら書いているのですが、実際に使ってみると片手落ちな部分がいっぱい出てきます。
やっぱりデバッグって時間をかけてやらないとダメですね・・・。


この電子取引データの保存、私自身の電子取引データは現状ほぼ100%クレジットカード払いのものだけという感じです(銀行振込のものは、まだ書面でもらえている状況)。
カード取引の場合記帳は明細データを取り込む方が早く、電子取引データ自体を入力に活用する機会は今のところなさそうですが、索引簿の記録とファイル名の変換をある程度自動化できると、「印刷して保管」と比べても思いのほか楽な気がします。


それに索引簿のリンクをクリックすると証憑が展開するというのは、チェックする側も意外に便利な印象がありますね。

例えば索引簿とPDFファイルの保管フォルダをサーバやクラウドストレージに設定して、営業や仕入担当と経理がこのフォルダを共有しておけば、請求書や領収書を受け取った担当者がPDFファイルをこのエクセルファイルに放り込んでおけば、経理はこのエクセルファイルの索引簿をチェックして、支払処理や記帳をかんたんにペーパーレス化できる可能性があるのかも。
帳簿をチェックする税理士としても、この索引簿を見せてもらえれば特に問題なくチェック処理が進められるんじゃないのかなあ・・・。
もうちょっといろいろと試行錯誤してみたいと思います。


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