夢見る税理士の独立開業繁盛記

神戸市東灘区で開業している駆け出し税理士の、試行錯誤日記

事務所ホームページはこちらです→神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所

食えない税理士のエンカウント率は?

3年ほど前に所属する若手税理士の団体「近畿青年税理士連盟大阪支部」(若手でない私自身は既に隠居会員ですが(^^;)で、会員の独立開業体験記を作ったことがあったのですが、
kobarin.hatenablog.com
今年その体験記を改訂することになり、隠居ながらそのお手伝いをしています。


体験記の前振りとして、「開業税理士は本当に食えないのか?」という税理士登録者数と税理士の所得分布と推移のパートを、前回に引き続き書いているのですが、
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前回もそうでしたが、他の士業と比べると税理士はそんなに登録者数増加してないんですよね。

女性登録者数を見ても、税理士は断トツで伸びが低いですし。
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公認会計士は全体で5割増し、女性だけだと9割増しになっているのをみると、税理士はやっぱり魅力に欠けている部分があるんでしょうね。
年代別で見たら、きっと公認会計士は若い人がすごく多いんだろうな・・・。


ちなみに都道府県別の登録者数は、こんな感じ。
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前回の数字で比べると、全体では増加しているけど地方別ではどうなのか、少し傾向が見えてきますね。
近畿で見ると、滋賀県が一割近く増えているんですよね。滋賀、何かいいことがあるのか・・・?


登録区分別の推移をみると、開業税理士が穏やかに減って、社員税理士や所属税理士がどんどん増えていますね。
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地域別でみると、きっと東京や大阪はそんな傾向が顕著なのでしょうね。


前回に継ぎ足した所得分布と推移表。
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前回作った時も感じたのですが、税理士・会計士の推移をみると、徐々にですが所得は上がってきている傾向にあるんですよね。
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この部分は周りの税理士さんの話を聞いていても、減ってしんどいという話はとんと聞いたことがなく実感できるところです。

弁護士と、司法書士行政書士と対比したものは以下の通り。
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税理士・会計士は、他の2つと比べると、極端に高い・低いの割合が低く、そこそこな人が多いのかなあ。

私も税理士になって13年で、その間数百人の税理士に出会ってきている筈ですが、「独立開業したけど食えなくて、他の会計事務所でアルバイトしてます・・・。」といった方は2人ぐらいしか記憶がないのですよね。
この冊子を作っている青税の大阪支部でも、この数年に開業しましたという若い税理士さんが幾人もいらっしゃいますが、予想外に仕事が増えすぎてどうしたらいいのかという話は聞いたことがあっても、仕事がなくて困ってますといった話は全然聞いたことがないし・・・。
食えない税理士というのは、はぐれメタル並みにエンカウント率低いのかしら?


※昨年生まれた息子も無事一歳になり、三歳の娘と一緒に公園で遊べるように。
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五年ほど前に記事内の青税大阪支部支部長をしていたことがあったのですが、そのころは幼いお子さんがいる自分より若い会員に、「これをやれ。あれをやれ。」といろいろお願いしていましたが、いざ自分の子供ができてみるとすごい無理をお願いしてたんだなあと、今更ながらに感じています。
あの時支えてくれた皆さんには、本当に感謝しかありませんm(_ _)m。


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甲骨文字が読み取れるなら、通帳フォントも読み取れる?

前回の日記で書いたRaspberry Pi 4。ちょっとずついじりながら、おもちゃとしてだけじゃなく、何かに活用できないかなあと思案中。
仕事にも使っているメインマシンに色々なものをインストールするのは不安ですが、ラズパイだったらその辺気にならないので、そんな方面で何かできないかなあ・・・。


ネットを見てて面白いなと思ったのが、甲骨文字の文字認識を取り上げた以下の記事。
www.tdi.co.jp
TesseractというOCRソフトと、jTessBoxEditorというOCR用の学習ソフトを使って、甲骨文字を読み取って漢字に変換する流れが紹介されているのですが、この学習機能を使って通帳の読み取りに活用できないかななんて考えています。


記帳をこちらで行う場合、預金の入出金のデータはネットバンクのデータをそのままもらえれば会計ソフトに一気通貫で取り込めるのですが、なかなかそうもいかず通帳のコピーを送ってもらうことがほとんどなのが現状です。
通帳のコピーは普通のOCRソフトにかけてもなかなかまともに読み取ってくれず、結局手入力になってしまっているので、ここをOCRでクリアできるようにできれば私の事務所の業務改善につながることもあり、頑張ってみたいところです。


通帳に使われているフォントは以下のHPでも紹介されていますが、数字とカタカナと若干の漢字が数パターンなので、これらを学習させれば実務に耐えられるぐらいOCRの精度あげられないかな?
ys223.blogspot.com
まあ同時にpythonも勉強していかないとダメなのですが・・・。


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Raspberry Piを購入

昨年東京在住の学生時代の友人と会った際、ここ最近子供とシングルボードコンピュータをいじりながら、一緒にプログラミングや電子工作をしているという話を聞かされることがありました。
その時は学校の課題にかこつけて親子でプログラミングできるのは羨ましいなあと思いつつ、秋葉原のパーツショップ巡りに付き合っただけだったのですが、半年経った今ふとそのことを思いだして、将来娘や息子と遊ぶネタになるのならと、思い切ってRaspberry Pi 4 Model Bを購入することに。

以前よりラズベリーパイのようなシングルコンピュータへの興味はあったものの、具体的な使い方がいまいちイメージできず、買ってもどうせ宝の持ち腐れかなと躊躇していたのですが、いざ買ってみるとやはりワクワクします。


ネット通販で届いた箱を開けてみると、本当に名刺サイズの基盤に、USBポートは4つ。HDMI端子も無線LANも全乗せのてんこもりといった感じ。
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これが数千円。PC9801が30万円も40万円もしていた中高生のころを思うと、技術の進歩は隔世の感にも程があるといった感じですね。


とりあえずラズビアンを入れて、手元にあった古いキーボードなどをつないで使えるようにしてみました。
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ラズビアンだと、ScratchやPythonといったプログラミング環境は初めから入っているので、とりあえずはそれから始める感じかなあ。
これらのプログラミングを学びつつ、何か本業などに活かせるスキルを身に付けられればいいのだけど・・・。


※お昼に入ったくら寿司の番号発券機。背面を見るとラズベリーパイでおおっと思ったのですが、下記のような記事を見るとどこの店舗でもラズベリーパイ化しているのでしょうか?


私も何か面白いもの作りたいな。


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収支会計の決算書は、どうやったら楽に作れるかしら?

最近宗教法人の会計のお手伝いをさせていただいているのですが、宗教法人の会計といえば、当然収支会計。
専用のソフトは使わず普段の帳簿は弥生会計で作成していただいていたのですが、企業会計向けの弥生会計では、収支会計の決算書である「収支計算書」、「正味財産増減計算書」、「貸借対照表」などは作成できません。
なので決算時に弥生会計の試算表のデータを、エクセルの決算書フォームに転記する方法でがんばっていたのですが、会計ソフトの元データの変更がある度にエクセルの決算書の数字をちまちまと手修正していくのが嫌になったので、会計ソフトからエクスポートしたデータを貼り付けるだけで、決算書の数字が変更されるエクセルシートを作ってみました。
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会計ソフトの試算表データを貼り付けると(弥生会計の場合は「残高試算表(月次・期間)」と「補助残高一覧表(月次・期間)」の数字を、ボタン一つで取り込めます)、
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宗教法人向けの収支計算書と
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フロー式の正味財産増減計算書と
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貸借対照表を作成するようになっています。
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収支計算書作成シート(宗教法人)の動作状況

※このエクセルファイルは、こちらのページからダウンロードできます。


手間を省くコツは、やっぱり正味財産増減計算書をフロー式にすることと、資金の範囲に流動資産・負債の多くを含めることでしょうかねえ。
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収支計算書と正味財産増減計算書の経常収支と経常損益がほぼ同額であれば、試算表の残高から拾えない固定資産・負債の増減額などを数件、追加で収支計算書に手入力すれば完成するので、このあたりが収支会計の決算書をかんたんに作るコツなのかなあ。
収支会計の経験があまりなく、ノウハウも持っていないのですが、専用ソフトのようなコストをかけない方法で、もっと楽に決算書を作る方法はあるのかしら・・・。


✳︎2歳半になった娘に、プラレールトミカが両方遊べるセットを購入。

自分が遊んだ頃とレールは変わらないけど、踏切とかは隔世の感がありますね。


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会計王→弥生会計 仕訳日記帳変換シートを作ってみました

私の事務所では弥生会計をメインの会計ソフトとして使っているので、会計王やPCA会計といった弥生会計以外の会計ソフトを使っている顧問先の場合、基本その会計データは事務所で弥生会計に取り込んで管理するようにしています。
取り込む際には開業以来「会計コンバータ2」というソフトにお世話になっていたのですが、昨年の消費税率UPの時にソフトをアップデートしようとしたところ、なぜか失敗ばかり。
何でかなと販売元の会社をググってみると、昨年夏に清算結了しているとの情報が・・・。うーん、こんなことってあるんですよね・・・。

仕方ないので、エクセルで会計王の仕訳日記帳を、弥生会計にインポート可能な仕訳データに変換できるソフトを作ってみました。
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変換する際にちょっと面倒なのが、消費税の課税区分データの持ち方が二つのソフトで違うこと。
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会計王は

課税区分コード:21
課税区分名称:課売仕入
税処理コード:3 
税処理名称:税込 
税率:10%

といった感じで、税区分や、税抜・税込、税率、簡易課税の事業区分をそれぞれ別データで持っているのですが、

弥生会計

課対仕入込10%

といった感じでこれらの情報を一つで持っているので、これをうまく変換するのがちょっとコツが要りますよね。
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5%のころは税率の情報はなく、「課税売上」とか「課対仕入」のみだったからもっとシンプルだったのに。

でもエクセルのいいところは、こういった自分が欲しいなというニッチなソフトを、気軽に自前で作ることができることですよね。
次はPCA会計版にチャレンジしてみたいと思います。
→このエクセルファイルは、こちらのホームページからダウンロードできます



神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です

税効果会計計算シートを修正しました

私の事務所のホームページで公開している「税効果会計計算シート」ですが、「税効果会計に係る会計基準」の改正が去年あったので、一部修正しました。
改正内容は、以下の二つになります。

  1. 今まで長期・短期に分けて表示していた繰延税金資産繰延税金負債を、分けずに集計・相殺した上で、繰延税金資産が多い場合には「投資その他の資産」、繰延税金負債が多い場合には「固定負債」に表示
  2. 評価性引当額の内訳と税務上の繰越欠損金に係る情報の注記の追加


1の繰延税金資産・負債を一律固定区分に表示するのは、長期・短期を考える必要がなくなったので楽になった感じですかねえ。
修正した計算表も計算要素がかなり減って、シンプルになりました。
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改正に際してのパブコメのコメントを読むと、

IFRS の取扱いについては、当時の IASB の審議資料において、繰延税金資産及び繰延税金負債のすべてを非流動区分に表示する根拠として、決算日以後に納付する法域では、解消時期が 1 年以内の一時差異についても、1 年以内にキャッシュ・フローは生じないことに留意した、と記載されていた点を踏まえ、我が国においても同様の事情があることを確認した上で、検討している。
また、米国会計基準の取扱いに関しては、複雑性を低減する簡素化の取組みを理由に変更したとされている点を踏まえ検討している。

と一応IFRS米国会計基準を参考にした上で

(2)「換金性のある資産ではない」ことを根拠とすること及び(3)1 年基準に基づく流動固定分類の考え方との整合性について、流動又は非流動区分に表示する取扱いもすべてを非流動区分に表示する取扱いも一定の論拠があることを確認した上で、財務諸表作成者の負担が軽減されること等を勘案し、すべて非流動区分に表示する方法を採用することとした。

で、結局実体のない資産・負債だから、手間を考えて一律固定で集計してもいいんじゃないという理由なんでしょうね。


2の注記の追加については、スケジューリングの表からできるだけ数字を拾えるよう、繰越欠損金額の発生年を5年まで増やしてみましたが、正直ここまで必要なのでしょうかねえ・・・。
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「予定は未定」と言ってしまったら身も蓋もないんでしょうけど、何年も先の欠損金の解消予定とか、どこまで精緻に予測しないとダメなのかしらと思ってしまいます。
まあ今年はこのシートで、会計士さんのダメ出しなしでちゃっちゃと終わらせられたらいいのだけど。


※先週末はクラウド会計freeeの講習会と、出版社との打ち合わせに東京に。
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遅れ馳せながら最近初めてクラウド会計にチャレンジしているのですが、今までの会計ソフトとは大分勝手が違うので、うんうん試行錯誤の連続です。
ネットバンキングやクレジットカードを多用している人は便利そうだけど、そうじゃない人には却って大変だったのかもと、ちょっと自信喪失な感じです(^^;。
「少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。」きっとまだまだ知らない機能がありそうだし、やっぱりちゃんと教えてもらうべきなのかなあ・・・。


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