夢見る税理士の独立開業繁盛記

神戸市東灘区で開業している駆け出し税理士の、試行錯誤日記

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FX取引の会計処理と仕訳と表示

法人がFX取引を行った場合、処理はどうするのだったのかなと少し確認してみました。
FX取引、つまり外国為替証拠金取引金融商品取引法第2条第20項に規定するデリバティブ取引なので、法人税的にも下記のようにデリバティブ取引に該当し、事業年度終了時に決済したものとした場合の利益や損失を取り込むことになります。

法人税法第61条の5 (デリバティブ取引に係る利益相当額又は損失相当額の益金又は損金算入等)
内国法人がデリバティブ取引(金利、通貨の価格、商品の価格その他の指標の数値としてあらかじめ当事者間で約定された数値と将来の一定の時期における現実の当該指標の数値との差に基づいて算出される金銭の授受を約する取引又はこれに類似する取引であつて、財務省令で定めるものをいう。以下この条において同じ。) を行つた場合において、当該デリバティブ取引のうち事業年度終了の時において決済されていないもの(第61条の8第2項(先物外国為替契約等により円換算額を確定させた外貨建取引の換算) の規定の適用を受ける場合における同項に規定する先物外国為替契約等に基づくものその他財務省令で定める取引(次項において「為替予約取引等」という。) を除く。以下この項において「未決済デリバティブ取引」という。) があるときは、その時において当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額又は損失の額に相当する金額(次項において「みなし決済損益額」という。) は、当該事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。


法人税法施行令第27条の7 (デリバティブ取引の範囲等)
法第61条の5第1項(デリバティブ取引に係る利益相当額又は損失相当額の益金又は損金算入等) に規定する財務省令で定めるものは、次に掲げる取引とする。
◆1  金融商品取引法第2条第20項(定義) に規定するデリバティブ取引


3  法第61条の5第1項に規定する財務省令で定めるところにより算出した利益の額又は損失の額に相当する金額は、次の各号に掲げる取引の区分に応じ、当該各号に定める金額に相当する金額とする。
◆1  第1項第1号に掲げる取引(金融商品取引法第2条第21項に規定する市場デリバティブ取引又は同条第23項に規定する外国市場デリバティブ取引に該当するものに限る。以下この号及び第4号において「市場デリバティブ取引等」という。)  市場デリバティブ取引等につき、同条第16項に規定する金融商品取引所若しくは同条第8項第3号ロに規定する外国金融商品市場における事業年度終了の日の最終の価格により取引を決済したものとした場合に授受される差金に基づく金額又はこれに準ずるものとして合理的な方法により算出した金額


では具体的にどんな会計処理になるかというと、例えば一事業年度中の取引明細が以下のようなものであった場合。

1、期首の残高
差入証拠金:1,600,000円
先物取引差金:140,000円


2、期中の証拠金入金
差入証拠金 200,000円/現預金 200,000円


3、実現(決済)損益の計上
差入証拠金 500,000円/先物取引収益 500,000円


4、未実現(評価)損益の計上
先物取引損失 840,000円/先物取引差金 840,000円


5、期末の残高
差入証拠金:2,300,000円
先物取引差金:△700,000円

何人かの人に聞いたのですが、人によっては差金勘定を使わず、損益を証拠金勘定に直入する場合もあるみたいですね・・・。
損益さえあっていれば税務上はどっちでもいい話ですが、どちらがいいものなのでしょう?


表示箇所は
・差入証拠金と差金勘定は、流動資産や流動負債
先物取引損益勘定は、営業外損益
に表示するのが一般的なのでしょうか。

このFX取引が本業の場合、売上に表示すべきという考え方もあるみたいですが・・・。マイナスになった場合にどうするのかということと、消費税的に多額の不課税売上が発生すると余計な疑惑を招くのではとも思ったり・・・。
普段お目にかからない取引は、いろいろと悩んでしまいます(^^;。


※ふと為替を見てみると、最近急に円安に振れているんですね。

こういう時、外貨でもFXでも買っておけば良かったなあと思いますが、後の祭りですね・・・。
優柔不断で何事もエイヤッと決められないので、こういうのはやっぱり向いてないなあと思います。


神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です