夢見る税理士の独立開業繁盛記

神戸市東灘区で開業している駆け出し税理士の、試行錯誤日記

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土地と建物が区分されていない場合の簡便な区分方法

個人から区分所有マンションなどを土地と建物を一括して不動産を購入した場合には、契約書の売買代金が「土地部分」と「建物部分」に区分されていない場合があります。
土地と建物が区分されていないと、法人税的には減価償却の基礎となる建物の取得価額が分かりませんし、消費税的にも課税仕入れとなる建物の取得価額がわかりません。


会計事務所に勤務していたころ、どうやって区分したらいいのかなとうんうん悩んでいると、先輩から教えてもらったのが、下記の通達にある「公示価格比準倍率」を流用してそのまま使う方法です。

法人税法基本通達12の3−2−1(連結納税の開始等に伴う時価評価資産に係る時価の意義)
法第61条の11第1項《連結納税の開始に伴う資産の時価評価損益》又は第61条の12第1項《連結納税への加入に伴う資産の時価評価損益》の規定を適用する場合における「時価評価資産のその時の価額」は、当該時価評価資産が使用収益されるものとしてその時において譲渡されるときに通常付される価額によるのであるが、次に掲げる時価評価資産について、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に掲げる方法その他合理的な方法により当該時価評価資産のその時の価額を算定しているときは、課税上弊害がない限り、これを認める。
(2) 土地当該土地につきその近傍類地の売買実例を基礎として合理的に算定した価額又は当該土地につきその近傍類地の公示価格等(地価公示法第8条《不動産鑑定士等の土地についての鑑定評価の準則》に規定する公示価格又は国土利用計画法施行令第9条第1項《基準地の標準価格》に規定する標準価格をいう。)から合理的に算定した価額をもって当該土地の価額とする方法


【解説】
(2) 土地
土地については、近傍類地の売買実例の価格、近傍類地の地価公示法の公示価格又は国土利用計画法の基準地の標準価格を基礎として合理的に算定した価額を「時価」とする方法を掲げている。
なお、土地の時価の算定に当たり、相続税の財産評価の方法である路線価(財産評価基本通達)によることもできるのではないかと考える向きもあろう。
しかしながら、相続税の財産評価における路線価とは、評価の安全性等を考慮して、一般に土地の時価に近接した公示価格の評価水準よりも低額に定められており、時価を示すものではないとされている。したがって、法人税法における時価の概念として、直接的に路線価を採用することは適当ではない。
(注)例えば、当該土地につきその近傍類地に売買実例がなく、また公示価格や標準価格も存しないような場合に、当該土地の1m2当たりの相続税評価額に、当該土地が所在する地域内若しくは隣接地域内における公示価格比準倍率(その地域内のすべての標準地の公示価格を同地に隣接する街路の路線価で除した割合)の平均値を乗じて計算した価格に時点修正などをすることにより、当該土地の価額を算出した場合には、当該算出した価額をもって当該土地の時価の算定要素の一つとして取り扱って差し支えないものと考える。


例えば私の事務所のある地域だと・・・。


路線価図にある、東灘2地点の公示価格は395,000円/平米。


東灘2地点の路線価は「320,000円/平米」。
私の事務所の路線価は「230,000円/平米」。


なので私の事務所の土地の、「公示価格比準倍率」方式による時価は・・・。
395,000円×230,000円÷320,000円=283,906円/平米
ということになるのですね。


あとはこれに土地の平米数をかけて土地の金額を出した後、売買代金から差し引きで建物の金額を出して、それぞれの取得価額にします。
区分所有マンションの場合など土地の面積が少ない場合などは、この方法だとコストゼロでかんたんに計算できますし、これで簡便的に済ませてしまっても余り誤差などないのかなあと思います(^^;。


※事務所の駐車場にて、一昨日買った私の車。

大きなチョロQみたいな、アンバランスな形が可愛いです(*^^*)。


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