夢見る税理士の独立開業繁盛記

神戸市東灘区で開業している駆け出し税理士の、試行錯誤日記

事務所ホームページはこちらです→神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所

収支会計の決算書は、どうやったら楽に作れるかしら?

最近宗教法人の会計のお手伝いをさせていただいているのですが、宗教法人の会計といえば、当然収支会計。
専用のソフトは使わず普段の帳簿は弥生会計で作成していただいていたのですが、企業会計向けの弥生会計では、収支会計の決算書である「収支計算書」、「正味財産増減計算書」、「貸借対照表」などは作成できません。
なので決算時に弥生会計の試算表のデータを、エクセルの決算書フォームに転記する方法でがんばっていたのですが、会計ソフトの元データの変更がある度にエクセルの決算書の数字をちまちまと手修正していくのが嫌になったので、会計ソフトからエクスポートしたデータを貼り付けるだけで、決算書の数字が変更されるエクセルシートを作ってみました。
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会計ソフトの試算表データを貼り付けると(弥生会計の場合は「残高試算表(月次・期間)」と「補助残高一覧表(月次・期間)」の数字を、ボタン一つで取り込めます)、
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宗教法人向けの収支計算書と
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フロー式の正味財産増減計算書と
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貸借対照表を作成するようになっています。
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収支計算書作成シート(宗教法人)の動作状況

※このエクセルファイルは、こちらのページからダウンロードできます。


手間を省くコツは、やっぱり正味財産増減計算書をフロー式にすることと、資金の範囲に流動資産・負債の多くを含めることでしょうかねえ。
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収支計算書と正味財産増減計算書の経常収支と経常損益がほぼ同額であれば、試算表の残高から拾えない固定資産・負債の増減額などを数件、追加で収支計算書に手入力すれば完成するので、このあたりが収支会計の決算書をかんたんに作るコツなのかなあ。
収支会計の経験があまりなく、ノウハウも持っていないのですが、専用ソフトのようなコストをかけない方法で、もっと楽に決算書を作る方法はあるのかしら・・・。


✳︎2歳半になった娘に、プラレールトミカが両方遊べるセットを購入。

自分が遊んだ頃とレールは変わらないけど、踏切とかは隔世の感がありますね。


神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です

会計王→弥生会計 仕訳日記帳変換シートを作ってみました

私の事務所では弥生会計をメインの会計ソフトとして使っているので、会計王やPCA会計といった弥生会計以外の会計ソフトを使っている顧問先の場合、基本その会計データは事務所で弥生会計に取り込んで管理するようにしています。
取り込む際には開業以来「会計コンバータ2」というソフトにお世話になっていたのですが、昨年の消費税率UPの時にソフトをアップデートしようとしたところ、なぜか失敗ばかり。
何でかなと販売元の会社をググってみると、昨年夏に清算結了しているとの情報が・・・。うーん、こんなことってあるんですよね・・・。

仕方ないので、エクセルで会計王の仕訳日記帳を、弥生会計にインポート可能な仕訳データに変換できるソフトを作ってみました。
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変換する際にちょっと面倒なのが、消費税の課税区分データの持ち方が二つのソフトで違うこと。
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会計王は

課税区分コード:21
課税区分名称:課売仕入
税処理コード:3 
税処理名称:税込 
税率:10%

といった感じで、税区分や、税抜・税込、税率、簡易課税の事業区分をそれぞれ別データで持っているのですが、

弥生会計

課対仕入込10%

といった感じでこれらの情報を一つで持っているので、これをうまく変換するのがちょっとコツが要りますよね。
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5%のころは税率の情報はなく、「課税売上」とか「課対仕入」のみだったからもっとシンプルだったのに。

でもエクセルのいいところは、こういった自分が欲しいなというニッチなソフトを、気軽に自前で作ることができることですよね。
次はPCA会計版にチャレンジしてみたいと思います。
→このエクセルファイルは、こちらのホームページからダウンロードできます



神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です

税効果会計計算シートを修正しました

私の事務所のホームページで公開している「税効果会計計算シート」ですが、「税効果会計に係る会計基準」の改正が去年あったので、一部修正しました。
改正内容は、以下の二つになります。

  1. 今まで長期・短期に分けて表示していた繰延税金資産繰延税金負債を、分けずに集計・相殺した上で、繰延税金資産が多い場合には「投資その他の資産」、繰延税金負債が多い場合には「固定負債」に表示
  2. 評価性引当額の内訳と税務上の繰越欠損金に係る情報の注記の追加


1の繰延税金資産・負債を一律固定区分に表示するのは、長期・短期を考える必要がなくなったので楽になった感じですかねえ。
修正した計算表も計算要素がかなり減って、シンプルになりました。
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改正に際してのパブコメのコメントを読むと、

IFRS の取扱いについては、当時の IASB の審議資料において、繰延税金資産及び繰延税金負債のすべてを非流動区分に表示する根拠として、決算日以後に納付する法域では、解消時期が 1 年以内の一時差異についても、1 年以内にキャッシュ・フローは生じないことに留意した、と記載されていた点を踏まえ、我が国においても同様の事情があることを確認した上で、検討している。
また、米国会計基準の取扱いに関しては、複雑性を低減する簡素化の取組みを理由に変更したとされている点を踏まえ検討している。

と一応IFRS米国会計基準を参考にした上で

(2)「換金性のある資産ではない」ことを根拠とすること及び(3)1 年基準に基づく流動固定分類の考え方との整合性について、流動又は非流動区分に表示する取扱いもすべてを非流動区分に表示する取扱いも一定の論拠があることを確認した上で、財務諸表作成者の負担が軽減されること等を勘案し、すべて非流動区分に表示する方法を採用することとした。

で、結局実体のない資産・負債だから、手間を考えて一律固定で集計してもいいんじゃないという理由なんでしょうね。


2の注記の追加については、スケジューリングの表からできるだけ数字を拾えるよう、繰越欠損金額の発生年を5年まで増やしてみましたが、正直ここまで必要なのでしょうかねえ・・・。
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「予定は未定」と言ってしまったら身も蓋もないんでしょうけど、何年も先の欠損金の解消予定とか、どこまで精緻に予測しないとダメなのかしらと思ってしまいます。
まあ今年はこのシートで、会計士さんのダメ出しなしでちゃっちゃと終わらせられたらいいのだけど。


※先週末はクラウド会計freeeの講習会と、出版社との打ち合わせに東京に。
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遅れ馳せながら最近初めてクラウド会計にチャレンジしているのですが、今までの会計ソフトとは大分勝手が違うので、うんうん試行錯誤の連続です。
ネットバンキングやクレジットカードを多用している人は便利そうだけど、そうじゃない人には却って大変だったのかもと、ちょっと自信喪失な感じです(^^;。
「少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。」きっとまだまだ知らない機能がありそうだし、やっぱりちゃんと教えてもらうべきなのかなあ・・・。


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eLTAXのリニューアルとダイレクト納付

リニューアルが告知されていたeLTAXが、今日から使えるということで早速試してみました。
www.eltax.lta.go.jp


PCdeskはダウンロード版とブラウザでも動くWEB版の二つとも新しくなっているので、とりあえずWEB版の方を試してみたのですが、インターフェースはかなり良くなった感じです。
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今回のリニューアルで気になるのがやはり、地方税のダイレクト納付ができるようになることですよね。
マニュアルも公開されているので確認したのですが、手続きの流れとしては以下のような感じになるのでしょうか?

  1. 税理士が自分のIDでログインして、顧問先に代理行為の承認依頼。
  2. (顧問先が)顧問先のIDでログインして、上記の依頼を承認。
  3. 税理士が自分のIDでログインして、顧問先のIDに切り替えて、ダイレクト納付の口座情報を入力、振替依頼書を印刷
  4. 振替依頼書を顧問先に渡して、届出印を押してもらって金融機関に郵送。

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5. 金融機関の確認後、ダイレクト納付開始!

代理行為の承認手続きをしなくとも、顧問先のOKをもらって顧問先のIDでログインした方が手っ取り早そうですが、ここはやっぱりちゃんとすべきですよね(^^;。

電子申告と違って、ダイレクト納付は水を向けると「銀行行くの面倒なので、ぜひやって欲しい!」という人と「いやいや、やっぱり自分で納付書を銀行に持っていきます」という人の二派に分かれるので、とりあえず国税のダイレクト納付やっている人から徐々に切り替えていく感じかなあ。
まだよくわからない部分もあるので、支部の情報化対策委員会とかで研修企画してくれたらいいのだけど・・・。


神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です

何で8%に(軽)が付くものがあるんですか?

私の事務所のホームページで公開している、エクセルのデータを弥生会計にインポートできるデータに変換するエクセルファイルですが、「10月からの消費税増税(軽減税率など)にも対応できるものはありますか?」という意見をいただいたので、選択できる消費税の課税区分を増やしてみました。
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それぞれの区分に、10%と9月までの8%と違う軽減税率の8%が追加されています。


先月当たりから流石にいろいろ質問を受けるようになったのですが、この課税区分についても「何で8%に、もう一つ(軽)が付くものがあるんですか?」とか「今の弥生会計でも、8%と10%の両方があるんだから、そのまま使えるんじゃないんですか?」といったことをよく聞かれます。
「今の8%は『国税6.3%+地方税1.7%』ですけど、10月からの8%は『国税6.24%+地方税1.76%』で別物なんですよ」と説明すると、大抵「??」という顔をされた後に、最後には「公〇党、ホンマに実務のこと考えんといらんことして!」というオチになるのですが(^^;、本当一律10%にした上で毎年地域振興券なり還元ポイントなりを配る制度にできなかったのかなあと心底思います。
ただ帳簿方式を前提に考えるから『何でこんなバカな制度・・・』と思いますが、最終的にインボイス方式になるのであれば、̚過渡期として仕方ないんですかねえ・・・。


変換ファイルを最初に作ったころは5%のみだったので、消費税区分もこれだけ。
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消費税法を勉強していた15年前、法人税法などに比べて整然と理論だっていた消費税の条文が好きだったのですが、だんだんと読みにくくなってきてますよね。
政策によって左右される税法は、つぎはぎつぎはぎで段々とぐちゃぐちゃになっていくのは避けられないのかしらん・・・。


※10年前に出した本ですが、今年も増刷いただけることになったので、増刷に当たってこの軽減税率の話なども追加で載せていただくことにしました。
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今年で17刷になるのですが、同様の書籍が新しく出てくる中でよくも10年間絶版にならなかったなと、うれしい気持ちでいっぱいです。
税理士登録した年の記帳指導で、様々な帳簿初心者と話しながら生の声をマメに記録して、それを自分なりにまとめたのがこの本なのですが、自分も税理士一年生で初心者の気持ちで書いたのがよかったような気がしますね。
税理士になったころは何もかも新鮮で、あの頃は記帳指導もウキウキしながら行ってたよなあ・・・。今月で開業12年目。事務所経営は十二分に上手くいってるけど、毎年同じことの繰り返しになってしまっています。こんな感じでいいのだろうか・・・?。


神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です

ScanSnap HomeのレシートOCR、使い物になるんじゃ・・・

先週支部の総会に出席した際に、T〇Cを使っている近所の税理士さんから「弥生会計のレシートOCRって、どんな感じなの?」と聞かれることがありました。
弥生のスマート取引取込は便利になっているとはいえ、スキャンしたデータをブラウザでアップロードして、画像認識させて、一件一件確認してから取込という手続きがまどろっこしいので、あまり使ってないんですよねえということで話は終わっていたのですが、ふと年末にScanSnapのソフトが更新されていたことを思い出したので、久しぶりにレシート取込を試してみました。


ScanSnap Home」というソフトでデータを一元管理できるようになっているのですが、
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レシート取込に特化した機能があるので、その機能を使って取り込んでみました。

試してみたのは、次の5枚のレシートと領収書。
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端を揃えてスキャンすると、レシートのサイズはまちまちでも問題なく連続スキャンしてくれるのは便利ですね。

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さてスキャンした結果は・・・。
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手書きのレシートは難しいですが、その他のレシートは学習機能を使うと「日付」、「金額」、「店名」がほぼ完璧に認識できているじゃないですか!

これをそのままCSVファイルに以下のように出力できるので、
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前回の日記で書いた私の作成した「勘定科目類推機能付出納帳→弥生仕訳帳変換シート」で、これを貼り付ければそのまま弥生会計の仕訳帳に変換して取り込むことができるような気がしてきました。
この方法だと「スキャンしたデータをアップロードして、画像認識させて、一件一件確認」という手間が省けるし、使い物になるかも・・・。
最近老眼が進んできているのか、手打ち入力していると目が疲れやすくなってきた気がしますし(^^;、もうちょっと色々試してみたいと思います。


※老眼と言えば、印西市ふるさと納税ハズキルーペがもらえるみたいですね。
www.furusato-tax.jp
年に抗っても仕方ないし、今年はこれをもらおうかなあ・・・。


神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です