夢見る税理士の独立開業繁盛記

神戸市東灘区で開業している駆け出し税理士の、試行錯誤日記

「外注費か?給与か?」の議論に光明が?

今朝、国税庁のメルマガで、通達の改訂についてパブリックコメントを募集する旨のお知らせが届きました。

「大工、左官、とび等に対する所得税の取扱について」他の廃止
「大工、左官、とび職等の受ける報酬に係る所得税の取扱いについて」の制定に対する意見公募の実施について
パブリックコメント:意見募集中案件詳細|電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

以前のブログ(外注費か?それとも給与か? - 夢見る税理士の独立開業繁盛記)でも書いたのですが、ここの問題は関連する通達が50年ほど前のもので古色蒼然としたものである上に内容があいまいで、もめることが多いところです。
また外注費が給与とされてしまうと、「源泉所得税の徴収漏れ」と「消費税の仕入税額控除否認」の往復ビンタで負担も大きいので、もめると白熱するところでもあります。


で、どんなものが案になっているのかというと・・・。

大工、左官、とび職等の受ける報酬に係る所得税の取扱いについて(法令解釈通達)(案)
標題のことについては、下記のとおり定めたから、これによられたい。
なお、昭和28年8月17日付直所5−20「大工、左官、とび等に対する所得税の取扱について」(法令解釈通達)、昭和29年5月18日付直所5−22「大工、左官、とび等に対する所得税の取扱について」(法令解釈通達)、昭和30年2月22日付直所5−8「大工、左官、とび等に対する所得税の取扱について」(法令解釈通達)及び昭和31年3月12日付直所5−4「大工、左官、とび等に対する従来の取扱通達にいう『大工、左官、とび等』の意義等について」(法令解釈通達)は、廃止する。
(趣旨)
大工、左官、とび職等の受ける報酬に係る所得が所得税法第27条に規定する事業所得に該当するか同法第28条に規定する給与所得に該当するかについては、これまで、昭和28年8月17日付直所5−20「大工、左官、とび等に対する所得税の取扱について」(法令解釈通達)ほかにより取り扱ってきたところであるが、大工、左官、とび職等の就労形態が多様化したことなどから所要の整備を図るものである。

1 定義
この通達において、「大工、左官、とび職等」とは、日本標準職業分類総務省)の「大工」、「左官」、「とび職」、「石工」、「板金作業者」、「屋根ふき作業者」、「塗装作業者」、「植木職、造園師」、「畳職」に分類する者その他これらに類する者をいう。
2 大工、左官、とび職等の受ける報酬に係る所得区分
事業所得とは、自己の計算において独立して行われる事業から生ずる所得をいい、例えば、請負契約又はこれに準ずる契約に基づく業務の遂行ないし役務の提供の対価は事業所得に該当する。また、雇用契約又はこれに準ずる契約に基づく役務の提供の対価は、事業所得に該当せず、給与所得に該当する。
したがって、大工、左官、とび職等が、建設、据付け、組立てその他これらに類する作業において、業務を遂行し又は役務を提供したことの対価として支払を受けた報酬に係る所得区分は、当該報酬が、請負契約若しくはこれに準ずる契約に基づく対価であるのか、又は、雇用契約若しくはこれに準ずる契約に基づく対価であるのかにより判定するのであるから留意する。
この場合において、その区分が明らかでないときは、例えば、次の事項を総合勘案して判定するものとする。
(1)他人が代替して業務を遂行すること又は役務を提供することが認められるかどうか。
(2)報酬の支払者から作業時間を指定されるなど時間的な拘束(業務の性質上当然に存在する拘束を除く。)を受けるかどうか。
(3)作業の具体的な内容や方法について報酬の支払者から指揮監督(業務の性質上当然に存在する指揮監督を除く。)を受けるかどうか。
(4)まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失するなどした場合において、自らの権利として既に遂行した業務又は提供した役務に係る報酬の支払を請求できるかどうか。
(5)材料又は用具等(釘材等の軽微な材料や電動の手持ち工具程度の用具等を除く。)を報酬の支払者から供与されているかどうか。
以上

前の通達と変わったところと言えば、

  1. 「請負契約若しくはこれに準ずる契約に基づく対価であるのか、又は、雇用契約若しくはこれに準ずる契約に基づく対価であるのかにより判定するのであるから留意する。」ということで、ある程度契約の形式も判断の基準になるのかな?というところと、
  2. 所得税の通達の訳の分からない判断基準が、消費税の1-1-1の通達(個人事業者と給与所得者の区分)のように少しさっぱりしたところ

というところでしょうか。


果たしてどういったパブコメがつくのか?
請負契約と雇用契約、二つのあいまいな境界に差し込む、一筋の光明となるのでしょうか。


神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です