夢見る税理士の独立開業繁盛記

神戸市東灘区で開業している駆け出し税理士の、試行錯誤日記

国外関連者に対する寄付金にご用心!

一般企業の経理課員をやっている知り合いから、「国外関連者に対する寄付金の考え方って難しくて・・・」と相談されることがありました。


一般的に寄付金というと、日本赤十字社や神社などにお金を寄付するイメージですが、税法上の「寄付金」の範囲はもう少し広くなります。
法人税法上の寄付金の定義は以下のとおりです。

法人税法第37条 (寄附金の損金不算入)
7  前各項に規定する寄附金の額は、寄附金、拠出金、見舞金その他いずれの名義をもつてするかを問わず、内国法人が金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与(広告宣伝及び見本品の費用その他これらに類する費用並びに交際費、接待費及び福利厚生費とされるべきものを除く。次項において同じ。) をした場合における当該金銭の額若しくは金銭以外の資産のその贈与の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額によるものとする。


8  内国法人が資産の譲渡又は経済的な利益の供与をした場合において、その譲渡又は供与の対価の額が当該資産のその譲渡の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額に比して低いときは、当該対価の額と当該価額との差額のうち実質的に贈与又は無償の供与をしたと認められる金額、前項の寄附金の額に含まれるものとする。

この中の「経済的な利益」がくせ者です。
たとえお金やその他の資産の贈与などがなくても、
「ただ働きをする」
「固定資産や特許権、ブランドなどを、無料または廉価で使わせる。」
「相手方が本来負担すべき費用を、こちら側でまとめて肩代わりする」

などといった、形のないサービスを無料でまたは安く提供してしまうと、そういったものについても「寄付金」と認定されてしまいます。


さらに海外子会社のような「国外関連者」に対してそういうことをやってしまうと、次の措置法の規定により「寄付金」と認定された全額が損金不算入にされてしまいます。
国内子会社であると一定額は損金算入が認められますが、海外の場合には本来国内に落ちるべき税金が、海外に移転して日本に返ってこないので、より厳しい規定になっています。

租税特別措置法第66条の4(国外関連者との取引に係る課税の特例)
3 法人が各事業年度において支出した寄附金の額(法人税法第37条第7項に規定する寄附金の額をいう。以下この項及び次項において同じ。)のうち当該法人に係る国外関連者に対するもの(同法第141条第1号から第3号までに掲げる外国法人に該当する国外関連者に対する寄附金の額で当該国外関連者の各事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入されるものを除く。)は、当該法人の各事業年度の所得の金額(同法第102条第1項第1号に規定する所得の金額を含む。)の計算上、損金の額に算入しない。この場合において、当該法人に対する同法第37条の規定の適用については、同条第1項中「次項」とあるのは、「次項又は租税特別措置法第66条の4第3項(国外関連者との取引に係る課税の特例)」とする。

寄付金は流出項目でありますので、いったん寄付金とされて課税されてしまうと、二度と取り返すことができません。


海外に子会社を作ったけど、当面赤字続きなので
「親会社から従業員を派遣して、人件費を取らない。」
「総務や経理といったバックオフィス的業務を、親会社でやってしまう。」
「親会社がもっている固定資産や特許、ブランドなどを、無料で使わせる。」
「親会社が事務所や倉庫を賃借し、そこを無料または安く使わせる。」
「広告宣伝費を海外子会社分も、まとめて親会社が払ってしまう。」
「子会社の販売促進に使うサンプルを親会社から直送し、そのまま海外子会社に負担を求めない」

なんてことを安易にしてしまうと、後々大変なことになってしまうので、ご用心!
またその過程で仮装・隠蔽などをやってしまうと、国外関連者寄付といえど重加算税の対象になるのでしょうね。


※仕事の帰り道、通りかかった六甲道で、ご近所の司法書士さんに新しく開店したと教えていただいた、餃子の王将を撮影してみました。

「9月8日(火)グランドオープン」。当日行くとやはりいろいろサービスがあるのでしょうか?
六甲道、お昼ごはんを食べに行くには事務所からちょっと距離があるのですが、一度行ってみようかな。


神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です
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