夢見る税理士の独立開業繁盛記

神戸市東灘区で開業している駆け出し税理士の、試行錯誤日記

譲渡所得と不動産所得で泣き別れ

不動産の譲渡所得の計算をする際に気をつけなければならない点の一つに、固定資産税の精算金を譲渡対価に含めなければならないことがあります。
不動産の売買を行った場合、慣行として取引日を基準として固定資産税を日割で精算します。
たとえば7月末で不動産を売買している場合、売主は未経過である8〜3月分の固定資産税相当額を買主からもらうことになるので、その固定資産税相当額を譲渡所得の収入金額とします。


一方売主が払う1年分の固定資産税は事業に供していた不動産の場合、債務確定基準や基本通達の37−6で、事業所得や不動産所得の必要経費にまるまる算入できます。

所得税法基本通達37−6(その年分の必要経費に算入する租税)
法第37条第1項の規定によりその年分の各種所得の金額の計算上必要経費に算入する国税及び地方税は、その年12月31までに申告等により納付すべきことが具体的に確定したものとする。ただし、次に掲げる税額については、それぞれ次による。


また売却した不動産が唯一の不動産で、売却と同時に事業を廃止していた場合でも、所得税法63条で一年分まるまる必要経費に算入できます。

所得税法第63条(事業を廃止した場合の必要経費の特例)
居住者が不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を廃止した後において、当該事業に係る費用又は損失で当該事業を廃止しなかつたとしたならばその者のその年分以後の各年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上必要経費に算入されるべき金額が生じた場合には、当該金額は、政令で定めるところにより、その者のその廃止した日の属する年分(同日の属する年においてこれらの所得に係る総収入金額がなかつた場合には、当該総収入金額があつた最近の年分)又はその前年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。


というわけで売主が個人の場合はもらった固定資産税相当額は譲渡所得で計算して、払った固定資産税は不動産所得などの必要経費と泣き別れになってしまうのですよね。
法人税と違って、もらう金額と支払う金額が損益通算できなかったり税率が違ってしまったりするところが悲しいところです。
もちろん「固定資産税相当額」と「固定資産税」と、性質が違うので仕方ないところですが・・・。

 
神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です