金曜日の仕事の帰り途ジュンク堂書店に立ち寄ったのですが、見出しの「地価の上昇と土地取引の税務」に魅かれてつい衝動買いしてしまいました。
- 出版社/メーカー: ぎょうせい
- 発売日: 2007/09/21
- メディア: 雑誌
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さまざまな税法における土地の時価の考え方などが易しく説明されていていろいろためになったのですが、なるほどなあと感心したのが、特定事業用資産の買換えの特例と小規模宅地等の課税価格の計算の特例を組み合わせた相続税対策でした。
特定事業用資産の買換えの特例は、現在は租税特別措置法で事業に使用している土地等を売って新たに事業用の土地等を買った場合、譲渡益の80%に対する課税を繰り延べる規定です。
一方、小規模宅地等の課税価格の計算の特例は、相続税の計算を行う場合一定の要件を満たす土地ならばその価格の80%又は50%を400平米、240平米又は200平米を上限に負けてくれる規定です。
これからも都心部の土地の価格が上昇することが前提ですが、郊外など広大な土地を持っている場合1平米あたりの単価が高い都心部の土地に買換えを行った方が、相続税の課税価格を圧縮することが可能ですし、譲渡した土地への課税も80%部分については相続人が処分するまで繰り延べることができるので、確かに検討すべき手段かと目から鱗の思いでした。
それに特定事業用資産の買換えの特例は租税特別措置法であること。租税特別措置法は政策的な時限立法のため、変更されることがしばしばです。現在の規定は平成20年3月までですが、現在のように都心部の価格が上昇している場合、郊外から都心部への買換えを促進する現在の規定が延長される可能性は、必ずしも高くないというくだりには、そういうことも考慮にいれて相続対策を考えなければならないのだなあと、改めて相続税対策の難しさを感じました。
単価が高い土地の方が相続税の圧縮効果が高いこと、租税特別措置法が時限立法であることはそれぞれ知識としては知っているのですが、税法を横断して相続対策ということまではなかなか考えが及びませんでした。よく考えたら当たり前のことなのですが、いわれて初めて気づくことも多いのですよね。最近コロンブスの卵が多すぎます(笑)。