夢見る税理士の独立開業繁盛記

神戸市東灘区で開業している駆け出し税理士の、試行錯誤日記

共有持分は路線価で売却してもセーフ?

個人的にこの一週間で一番衝撃的だったニュースが、税務通信の先週の以下の記事でした。

著しく低い価額かどうか みなし贈与とした課税処分を取消し〜東京地裁 相続税評価額による親族への土地譲渡で納税者主張を認める判決

一物四価ともいわれて一つの土地に色々な金額が付されている土地の価格ですが、税金の世界でもこの制度には時々頭を悩まされます。
通常検討する土地の価格は、以下の4つです。

1、時価・・・業者を通じての通常の売買価格
2、公示価格・・・大体1と同じぐらい
3、路線価・・・1の八掛け程度
4、固定資産税評価額・・・1の七掛け程度


厄介なのは、法人税所得税では通常1や2の価格を基準として考える一方、相続税や贈与税は3を基準として考えます。そして法人税所得税で1や2の価格より安い金額で取引を行ってしまうと、譲渡した側で給与や寄付金、譲渡された側でも受贈益として余計な税金を負担する危険性がでてきます。ですので法人税所得税の取り扱い上、取引する土地の価格をどう決めるかには、特に神経を使うことになります。


さて今回の判決は、この土地の価格に3の路線価を使って譲渡してしまったことに端を発しています。大体時価の8割程度の金額である路線価を使用したことにより、通常の時価と路線価との差額が贈与と認定されて税金を課せられたことを不服として訴訟を起こしたものですが、少し変わっているのは対象となった土地が共有物の持分であったことです。
共有物の持分はもちろん売却したりすることは可能ですが、実際共有持分をまともな値段で買おうとする人はあまりいないのもまた事実です。ですので今回の判決で路線価で譲渡したことを容認したことはそれなりの合理性があるようには思えるのですが、かといって共有持分の譲渡イコール路線価での譲渡OKと考えてしまうのもまた早計というべきでしょうか。
やはり最後は「事実認定」というグレーゾーンにもつれこむのでしょうね。