夢見る税理士の独立開業繁盛記

神戸市東灘区で開業している駆け出し税理士の、試行錯誤日記

事務所ホームページはこちらです→神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所

「こんなことできたらいいな・・・」が実現できるのがVBA

建設業許可を取っているお客様があると、毎年の決算変更届に必要な財務諸表の作成を依頼されることがあります。

この財務諸表、税務で作成した決算書を下記のような決められた書式に転記しなければならず、また若干勘定科目の組み換えも必要ということで、単純な割には結構面倒な作成作業になってしまいます。
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毎年発生するこの作業をどうにか楽に済ませたいと去年作成したのが、こちらのホームページからダウンロードできる「建設業許可決算書自動作成シート」です。
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弥生会計の試算表データをエクスポートして取り込むと、貸借対照表、損益計算書、完成工事原価報告書、株主資本等変動計算書をほぼ自動で作成します。
今年もこのファイルを使ったところ、前回まで決算書から手で転記して、勘定科目組み替えて、内容チェックしてという作業に数十分はかかっていたのが、今回は弥生会計からデータを出力して、取り込んで、内容チェックしてという感じで10分もかからず終わらせることができました。

このファイルのように個人的に「こんなことができれば楽なのに・・・」と思っても、ニッチすぎて他にニーズがないようなものの場合、それを自分で実現できるのがこのExcelVBAですよね。
VBAはパソコンにExcelが入っていればすぐに作成を始めることができますし、私のような文学部出身の人間でも、仕事の片手間に時々触っているだけでもなんとなく使えるレベルにはなるほどハードルは低いので、「この作業、単純なのに時間だけかかって本当に面倒・・・」というような作業があれば、VBAは頼りになる解決法の一つだと思います。
私もそうでしたが、「この毎日やってる不毛な作業を自動化出来たら、もっと早く帰れるのに」というような(不純な?)モチベーションがあれば、VBAは意外とすぐに使えるようになる気がしますね(^^;。


神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です

自分で「あったら便利だな」とか「これだったら欲しいな」と思えるのが大事かな・・・?

所属している税理士さんと弁護士さんとの勉強会で「本ってどういう風に出版するの?」と聞かれることがあったので、以前勉強会で作った資料を引っ張り出してきてみました。

開業してすぐのころ記帳指導の経験をまとめたメモを、以下の本として出版していただいた経緯が上記の資料ですが、
CD-ROM付 3日でマスター!個人事業主・フリーランスのための会計ソフトでらくらく青色申告

CD-ROM付 3日でマスター!個人事業主・フリーランスのための会計ソフトでらくらく青色申告

こちらの本は未だに絶版とならず、14刷まで版を重ねています。

初めて書いた本にも関わらず、商業出版として採用いただきここまで増刷になったのも、この本を記帳指導という実体験をした上で、「記帳指導の時、こんな本があれば便利だろうな・・・」という視点で書いたことかなあと思っています。


当時書いた企画書も、改めて読んでみました。

【企画書】

<企画の趣旨>
 個人が事業を始めた場合どうしても避けることができない手続きに、所得税の確定申告があります。この確定申告には「帳簿不要の白色申告」と「帳簿が必要だがメリットの多い青色申告」の2つがあります。
 帳簿が必要な青色申告は一見難しいように思われますが、最近の進化してきたパソコン会計用のソフトを使うと、帳簿作成に求められる簿記などの知識は最低限でこの青色申告を行うことができるようになっています。


私は2007年の7月から翌年の2月までの8ヶ月間、個人事業を始めたばかりで帳簿のつけ方が分からないという方々のもとへ、記帳指導の担当税理士として税務署より派遣されることがありました。様々な業種の方のもとへ派遣されましたが、指導を進めていくうちに、質問を受ける点やつまづくところ、疑問に思う点には、共通する部分が多いことに気がつきました。
そういった方にパソコン会計を提案し、若干のコツとともに指導させていただいたところ、20代の簿記を全然知らない方からパソコンが苦手という年配の方まで、ほとんどの方が自力で青色申告に必要な帳簿を作成できるようになっていきました。
その経験を踏まえ、私の事務所の新規顧客やパソコン会計教室の受講者向けに、パソコン会計の導入を前提とした、書類の管理方法や会計ソフトの入力方法といった経理体制の構築に主眼をおいた添付の様な小冊子を作成し配布したところ、スムーズに経理のルーチンワークをこなせるようになったと、おおむね好評をいただくことができました。


 確定申告・青色申告の解説書については現在類似書が多くありますが、既に出版されている書籍には確定申告書・所得税に関する詳細な説明の方に重点を置き、章建てなどの構成がいざ自分で取り掛かる場合の作業手順と必ずしも一致していないものが見受けられます。また手書きによる帳簿作成を前提とした解説書も、何冊か見かけられました。
実際に青色申告にチャレンジされてつまづいた初心者に話を聞くと、大半の方はそういった解説書を購入しながらも、最後まで読みとおすことができず途中で投げ出したということでした。その理由としては、解説が多少詳しくとも書籍の構成が実務の流れと異なっているのでつまづいてしまい、そこであきらめてしまったということが多くありました。
もちろん確定申告書の概要に始まって、確定申告・所得税について詳細に説明する既存の解説書の形式は、解説書としての本来の姿です。また手書きで帳簿を作成することは、経理の手続きをすべて自分の手で行うことになり、帳簿作成について隅々まで理解するには大事な手順ではあります。
しかし初心者の多くが求めているのは詳細な解説書ではなく、最小限の努力で確定申告書を作成するためのマニュアル本であるというのが、数十人の初心者に青色申告のやり方を指導してきた結論です。


そこで本企画では、類似書によくある確定申告の意義や所得税・帳簿の仕組みといった概念については解説を最小限に抑え、パソコン会計を前提として確定申告を行う場合に限定し、必要となる手続きや経理体制の構築方法に重点をおいて解説します。
また、初心者がつまづきがちな点について、項目ごとに「タイトル」、「重要ポイント」、「解説」の3段構成とし、利用者が頭からすべて読まずとも、「タイトルと重要ポイントの読み流し」「目次から必要な部分をピックアップして読む」といった、マニュアル本として利用できる形にします。その上で項目の順番については、経理体制の構築に際したどるべき手順にそって構成します。
 

本企画は、パソコン会計を使って青色申告による確定申告を行う方に対象者を限定し、最低限必要な実務上の手続きを詳しく解説することにより、これからパソコン会計を使って複式簿記による青色申告にチャレンジしたいという方のお役に立つことができると確信しています。


<企画の特長>

  1. 税理士が、税務署から個人事業者の記帳指導に派遣された際の実際の経験に基づき、経理の初心者が共通して悩むポイントに重点をおいて解説します。
  2. 白色申告に比べメリットの大きな青色申告について、パソコン会計の使用により簡単に行うことができることを説明し、心理的なハードルを下げることを目指します。
  3. 初心者がアレルギーを起こす専門用語を交えた経理知識の解説は極力排除し、パソコン会計を使う場合に最低限必要となる知識・ノウハウの解説に重点をおきます。
  4. 経理体制の構築にあたって、実際にたどる手順にそって解説します。
  5. 確定申告書の前段階である決算書を作成する方法の解説に重点をおき、確定申告書の作成については簡単な解説にとどめます。


<対象とする読者層>

  1. 個人での開業を決意し、開業準備中の方
  2. 開業すぐの個人事業者で、会計ソフトを買ったが使い方が分からない方
  3. 開業すぐの個人事業者で、経理体制の構築に際し何から手をつけるのか分からない方
  4. 青色申告は面倒という思い込みで、現在白色申告を行っている個人事業者の方

弁護士さんが書いた原稿でも「これは誰を読者として想定しているんだろう?」とか「これを読んで読者は何かプラスになるのかな?」と思えるようなものもあったりするのですが、ビジネス書として採用してもらうためには、自分で「こんな本があったら便利だな」とか「これだったら自分でも欲しいな」と視点を常に意識しながら書いていけば、「これだったら十分売れるかも」と出版社の担当者の目にも留まるのかなあなんて思います。


※レシートの整理で困っているというお客様がいらっしゃったので、お勧めの方法を提案するため、百均の整理ケース(?)を購入。
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上記の本にも書いたのですが、レシートや領収書などをもらった時に「現金」、「預金」、「クレジットカード」の3つに分類しておくと、入力する際には現金出納帳、預金出納帳、買掛帳など補助簿のそれぞれでまとめてガーっと入力できるので、整理と入力が一気通貫で楽なような気がします。
こういうTipsも、記帳指導を経験したからこそですね。もう10年前のことになるのですが、経理の経験が全然ないような人はどんなことで悩むのかがいろいろ分かり、記帳指導は本当にいい経験になりました。


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どういったホームページが問い合わせに繋がるのか?

来月の19日に私の所属する近畿青年税理士連盟で、税理士事務所経営に役立つ文章術の研修を行っていただくことになりました。
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税法などの実務の研修が多い中、事務所経営に関連する研修は久しぶりなので楽しみな研修です。


先日若い税理士さんと一緒に食事をしていた際に、事務所ホームページからの問い合わせや集客の話題がでることがあったのですが、私の事務所のホームページについて「今では古臭い感じが逆に新鮮でいいですよ(^^;。」という微妙な評価をいただきました。

私の事務所のホームページは見ての通り、素人な私が手作りで作成したものを、開業の時からもう9年近くそのまま使っています。
kobarin.hatenablog.com
最近の色々な技術を多用したページに比べるといかにも冴えないページなのですが、私の現在のお客様のほとんどがこのホームページを見て問い合わせていただいた方で、それを思えば問い合わせをいただけるホームページは見かけではなく文章などの中身が大事なのかなと思ったり。
自分でも、このページのどこが問い合わせにつながっているのかということがよく分からないままですが、事実としてはこのホームページからそこそこの問い合わせをいただきしっかり仕事につながっています。
会計事務所のサービスは、必ずしも画一的ではなく税理士によってある程度カラーが出てくる業種のような気がするので、ホームページ作成のポイントも人それぞれで共通の正解というのはないのかもしれませんね。

今回の研修は、独立したばかりの若い税理士さんや勤務の税理士さんの申し込みが多いような印象ですが、今回の文章術のような研修も参考にしながら、自分自身のやり方を見つけて行っていただければなあと思います。


※この研修は税理士または税理士有資格者の方であれば、どなたでも参加できます。
チラシをダウンロードいただきFAXで申し込んでいただくか、下記のネットの申し込みフォームからお申し込みください。

研修案内のチラシは、こちらからダウンロードできます

↓ネットからの申し込みはこちらです
docs.google.com


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同じセルに直接入力も計算式の結果も入れたい場合

前回の日記で書いたエクセルの税効果計算シートですが、税効果プルーフの画面で永久差異項目については別表4の金額を入力するだけで計算できるようにした方が楽かなと、少し変更してみました。
要は永久差異項目の金額を入力すると自動的に実効税率をかけて税額を計算するようにしたいのですが、いったんセルに計算式を入れてしまうと、直接税額のみ入力したい場合には計算式が上書きされてしまうので、ちょっと融通が利かなくなってしまいます。
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こういったケースの場合、マクロを使うことになりますが、イベントプロシージャを使うと対応することができます。


イベントプロシージャは、エクセルに対して操作が行われたときに作動するマクロです。
今回のケースでは、「Change」という、セルの内容が変更されたときに作動するマクロを設定してみました。
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Targetで対象となるセルを設定するので、23行目から37行目の5列目のセルが変更されたときに限って、入力したセルの右のセルに「入力額×税率」の数値が入力されます。
セル自体には計算式は入っていないので、計算された後に上書きで数値を直接入力してもOKです。


こうすれば同じセルであっても、直接入力した場合はその数値が入力され、左隣のセルに数値を入力した場合には計算結果が入力されるようになります。

税効果計算 xlsm Excel 2017 04 03 21 41 40
計算式にも直接入力にも両方対応したいという場合には、この方法は有効です。


※四月からの雇用保険の保険料率の引き下げが決まったんですね。
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去年に続いての引き下げですが、やっぱり景気は良くなっているのかなあ。
お客様を見ていると、思いっきり良くなったところと少し良くなったところ、あまり変わらずの3つが多く、悪化しているというところはあまりないような気がします。


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エクセルの税効果会計計算シートを改良してみました

私の事務所のHPで公開しているエクセルの「税効果会計計算シート」ですが、今回自分自身で使う機会があったので少し改良してみました。
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自分自身で計算するのは、一般企業で経理をしていた頃以来10年ぶり。改めて本などを読んだのですが、結構ルールが変わっているんですよね。
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別表5の留保項目から、繰延税金資産や負債、法人税等調整額を計算していく手順や、
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税率差異の原因の計算は変わっていませんが・・・
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繰延税金資産の回収可能性やスケジューリングの検討は、10年前はこんなに厳密にやっていなかったですよね・・・。
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税効果スケジューリングシートへのデータ取込み

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個人的には税効果会計って数字遊びのような感じがして、いまいち好きになれないのですが、制度としてある以上やらないと仕方ないですね。

→このエクセルファイルはこちらのホームページからダウンロードできます。


※通販で、コンテナ型のコンテナケースを衝動買い。

色が微妙な感じなのですよね。実物はもう少しくすんでいるというか・・・。


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診断ツールとしての、日繰り資金繰り表

「なんだか最近ずっと資金繰りが厳しいような気がするので、ちょっと帳簿見て原因を教えてもらえないでしょうか?」
お客様とお話をしている際に、こういった質問をいただくことがありました。
月次のキャッシュフローを見ていても、特に資金残高に汲々としている様子が見られなかったので、これは月中の入出金のタイムラグかなと、日々の資金繰り表を確認してみることに。

月末の資金残高には問題ないように見えても、売掛金の入金より先に、仕入や外注、給与の支払いが来る場合、月中で一時的に資金繰りが苦しくなる「資金の谷」ができてしまう場合があります。
資金の谷がある場合、この谷を乗り切るための資金をキープしておくために、中々仕入や給与を増やすことができないという状況になってしまうので、これを回避し事業を拡大するためには資金の谷ができてしまう理由を明らかにしておくことが大事になります。
原因が分かれば、支払のタイミングをずらしたり、足りない分を運転資金の融資としてお願いするといった対処法が検討可能になってきます。

この資金の谷の診断ですが、弥生会計の場合私の事務所のホームページで公開している「資金繰り表作成シート」を使うと、どこで苦しくなっているのかが視覚的に一目で分かるので、今回も使ってみました。

次のデータはダミーデータですが、毎日の資金残高を自動でグラフ化できるので、どこで苦しくなっているのかやいくら資金があれば乗り切れるのかが浮彫りになってきます。
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税理士の業務では日次の資金繰り表は活用する場面はまずないですが、こういった資金繰りの相談に対応する場合、診断ツールとしては便利なのかもしれませんね。


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